介護の悩みに関し、キャリアカウンセリングがサポートできること

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「親を見捨ててしまった」という罪悪感に苦しまないために

また、親の介護が始まった際には、「自宅で親の面倒を見るか」「施設に入れるか」という選択も迫られ、悩みを抱えることがあります。親を施設に預けることに対し批判的な風潮はまだあるものの、適切な施設であれば介護のプロに任せるのは本来悪いことではありません。しかし、ここで起こりやすいのが罪悪感の問題です。

周りが気にしていなくても、施設に預けたことや仕事を続けることに対して本人が「親を見捨ててしまった」と悩んでしまうケースもあります。

「本当は一緒にいてあげたほうが良いとわかっているんです。でもお金を稼がないといけないから……」とおっしゃる相談者の方もいらっしゃいます。

こうした罪悪感の問題についても、「どうしてそう思うのか」「どういった価値観によってそう考えるようになったのか」というところをヒアリングし、整理していくことで、本人の気持ちをラクにしていくというアプローチが必要です。

介護する側の気持ちや大切にしている価値観を探っていくことで、状況に合った働き方や、介護される親や家族にとっての幸せを導き出すことも、介護と仕事の問題の中で重要になります。キャリアカウンセリングの中だけで難しい場合は、クリニックなどの紹介も可能です。

生活が苦しくて補助制度が受けられない場合も諦めないで相談を

もうひとつ、キャリアカウンセリングに相談してほしいケースがあります。それは、すでに経済状況や心身の状況が悪く困窮してしまっている場合や、介護に直面したことでその状況が一気に悪化した場合です。元々経済面や心身の調子が不安定な場合、そこに親の介護が突然やってきたことによって追い詰められてしまうというケースはめずらしくありません。

こうした時には行政の窓口へ行き、生活保護などの相談される方も多いかと思います。しかし、そこには注意が必要です。なぜなら、心身が追い詰められている状態だと、相談や申請が通らなかった場合に大きな絶望感にとらわれてしまう可能性があるからです。

生活保護や助成金の申請は、不正受給防止のために審査が厳しくなっており、簡単には通らないことも。「自分は本当に困っているのに……」という状況で制度の申請を断られてしまうと、望みを絶たれどうしたらいいか分からない、という悩みを抱えてしまう場合もあります。

しかし、そういった制度以外にも別の方法でサポートを受けられることもあるため、決して自分ひとりで悩み、諦めてしまわないでほしいのです。

行政窓口に行く前にキャリアカウンセリングに来てもらっても、もちろん大丈夫です。介護によって生活が困窮しても、立て直す方法はひとつではありません。

「どうやって生活と介護ができるだけの収入を得ればいいのか」「介護で今の仕事を辞めざるをえない」「このままでは家賃が払えずアパートを追い出されてしまう」などの苦しい状況でも、相談することでそれぞれに解決の糸口が見つかることがあります。

「もう無理だ」と思っても自分だけで判断せずに、そういった時にこそキャリアカウンセリングに相談してみてください。

おわりに

今回は介護で直面する悩みや問題について、キャリアカウンセリングができるサポートについてご紹介しました。介護されている親をケアしていくことはもちろん大切ですが、介護をしている息子さんや娘さんをケアすることも非常に大切です。“介護している側”が一人で苦しまないよう、もっと支えられていいのではないでしょうか。そしてそれは、結果的に家族全員のためにもなると思います。

次回は、介護の際に利用できる制度やサービスについて紹介していきます。更新は7月3日を予定しています。より具体的な窓口やサービスの紹介になりますので、次回も是非ご覧ください。

前回記事:親の介護に直面した時、仕事はどうする?起きがちな問題と気を付けたいこと

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