若年層と中高年で変わる「ひきこもり」になる原因とアプローチ。

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中高年 ひきこもり  原因

前々回は「若年層(10~30代)のひきこもりが抱える問題」について、前回は「中高年(40歳以上)のひきこもりが抱える問題」についてご紹介しました。今回はそれぞれのケースに対して、キャリアカウンセラーが具体的にどのようなアドバイスをしているかについてお話を伺ってきました。

若年層と中高年のひきこもりの違いとは

若年層と中高年のひきこもり問題で大きく違っている部分は、若い人は「変わりたいと思っているが踏み出せない人」が多いのに対し、中高年は「変わりたいと思えない人」が多い点ではないでしょうか。

そのため若年層の人には変わるための後押しが必要となり、中高年の人には「変わりたいと思えるだけの理由を作ること」が大切になります。それぞれ自力で達成するのは困難であり、周りからの支援が必要不可欠です。

そのため、家族だけで悩むのではなく、外部の助けを借りていくこともひきこもり問題においてはカギとなります。相談するにも勇気がいると思いますが、キャリアカウンセラーや心理カウンセラーなどにも、助けを求めていきましょう。

中高年がひきこもりになる原因とは?

中高年がひきこもりになる原因は幾層にも重なっています。「就職がうまくいかなかった」「個人的に辛いことがあった」など本人にしかわからない理由があり、そこに「介護」や「入院」などが重なってしまいひきこもりになるケースがあります。

中高年のひきこもりを抱える家族は高齢な場合が多く、助けを求められずそのまま放置してしまっている現状があります。また大多数の中高年のひきこもりの方は親が亡くなると、就労せず生活保護に頼る場合が多いです。これらの要因が絡み合いひきこもりの長期化を引き起こしている原因となっています。

中高年のひきこもりの原因について詳しく知りたい方はこちらの記事を参照して下さい

中高年のひきこもりの原因となる希望を持ちづらい社会の問題

【若年層のひきこもり対策】まずは気持ちの整理が大切

若年層のひきこもりについては、本人達の気持ちを整理してあげることが何よりも大切です。またその際、本人の意識を過去から未来へと転換していくことも重要なポイントになります。

例えば、本人の中でひきこもっていることを「逃げていた」と感じるなら、「逃げてはダメだ」と否定するのではなく、「何故逃げる必要があったのか」「逃げていた自分をどう思っているのか」ということを丁寧に聞いていきます。

そのようにして、本人が大切にしていること、嫌だと思うことを明確にしていき、その上で「どういう自分になりたいのか」という未来の話にフォーカスしていくのです。

また、自分がひきこもってしまった原因を見極めておくことで、これからの自分が同じところでつまずかないよう対策を立てることもできます。

いじめられる場所にはいなくていい。自分の居場所探しが就労へつながる

若年層の場合、ひきこもりの原因として多く挙げられるのが「いじめによる不登校」というケースです。

いじめは理不尽に起こっている場合もありますが、元をたどれば「本人とその場所が合わなかった」ことが原因となっている場合が多くあります。周りにいる人や、その場所の空気感などが本人に合わないことが、結果として孤立やいじめにつながってしまうことがあるからです。もちろん、決してこれは本人が悪いわけではありません。

学校などでのいじめや孤立が原因となりひきこもっている場合、「合わない場所にはいなくていい、別の場所を探していけば自分に合った居場所が見つかる」ということに気付いてもらうことが大切です。

ひきこもりを脱して就職したとしても、そこでまたいじめや孤立によって苦しくなったり、体を壊したりしては元も子もありません。「そういう場合は辞めてもいい」ということを本人も周りも認めた上で、自分の居場所を探す力を身につけていくのが就労につながる足がかりとなるのです。

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