就職・転職活動は取り組み始めると、求人検索→エントリーシート提出の繰り返しになり、流れ作業になってしまいがちです。そのため反省が生かされずなんども同じ失敗をしてしまうという悪循環にはまっている方も多いかもしれません。そこで、今回は再就職・転職を成功させるために、今一度立ち止まって考えてみたいポイントを紹介します。
①企業を見る目を養う
なんとなく求人を探していませんか。
より多くの応募者を集めるために、求人情報は実際よりも良いことが書かれている傾向にあります。また、長期間同じ求人が載っている場合や、仕事内容に不相応なほどの好待遇の求人には注意が必要です。
採用してもすぐに離職されるために、同じ求人がずっと掲載されたままだったり、好待遇でなければ割に合わないほどのブラックな仕事である可能性が考えられるからです。こうした求人に惑わされないためにも、良質な企業(求人)をかぎ分ける力が重要です。
とはいえ、いざはいってみたら、ブラック企業だったり、人間関係がギクシャクしていた、なんてこともあります。このように実際に入社してみないと分からないこともありますが、おおよその推論は立てることができます。
序の口に、まずは応募先企業の公式ホームページをチェックしましょう。くれぐれも、求人の待遇など応募条件だけで決めてはいけません。その企業の社長メッセージや企業理念なども、自分に合った会社であるかを判断する上での重要なポイントになります。
また、ある程度の会社規模であれば、採用ページに社員紹介などのコンテンツがあるはずです。会社も結局のところ、人の集まりなので、実際にそこで働いている人を知ることが、その会社の雰囲気や風土を知る一番の手段かと思います。
あとは、応募先企業の商品を実際に買ってみたり、サービスを利用してみたりするのも効果的です。
例えば、小売店などであれば、店舗に足を運んでみましょう。お店の雰囲気や実際に接客を受けてみた印象から、その会社を知ることができます。
ほかにも、Google検索の口コミを参考にしてみるのもよいでしょう。お客さんから喜ばれ高い評価を得ている会社は、良い従業員が集まっている=良い会社と考えられるからです。
②氷河期世代の自分を再定義してみる
氷河期世代という呼称からマイナスイメージがつきまといがちですが、この世代はバブル期と低迷期の両方を知る世代と言い換えることができます。ちょうど両方の端境期の世代であるということです。それだけで、ある意味希少な人材といえます。
氷河期世代よりも上の世代は今だにバブル期の価値観が抜けきっていません。一方で氷河期世代よりも下の世代は、バブル崩壊後の低迷期しか知りません。
いま企業の役員・役職を務めている50代〜60代と、20代〜30代の若手社員には大きな断絶があるのです。その橋渡しをできるのが、その中間世代である氷河期世代ということです。
このように、一般的にマイナスであると捉えられていることも、見方を変えればプラスに変換させることができます。自己PRなどを考える際などにもぜひ応用してみましょう。
③自力で頑張ろうとしない
友人や家族に心配をかけたくないと思い、一人の力だけで就職・転職活動をしていませんか?
中年の引きこもりが昨今多くなってきていますが、その理由は仕事を失い、その劣等感から家族や友人とコミュニケーションをとることを恥らしく思ってしまい、社交性が失われ、結果的に孤立化していくのだと言われています。こうならないためにも、今あるつながりを大切にする努力を続けてください。
その際、職探しを手伝ってほしいという直接的な言い方が難しければ、自分の現状を打ち明ける程度で大丈夫です。あえて自分の打ち明け話をすることで、相手は「信頼されている」と感じ、その人との絆が深まることもあるかもしれません。
④転職エージェントを活用する
もっと踏み込んで、職探しのアドバイスを得たいというのであれば、転職エージェントを利用してみましょう。エージェントであれば、まずはキャリアコンサルティングからはじめてくれます。
このキャリアコンサルティングによって、強みや特性などを対話のなかで見つけ出してくれ、あなたに合った仕事を紹介してくれます。
1つ目にあげたような「企業を見る目を養う」となると、どうしてもハードルを高く感じてしまう人もいるかもしれませんが、苦手なことはアウトソーシングしてしまう(他人に頼る)ことも立派な戦略の一つです。業界研究や企業研究が苦手なのであれば、その道のプロである転職エージェントに教えてもらうのが一番ともいえます。
まとめ
氷河期世代の方は、真面目な性格のために何でも自分の力でしようとしてしまいがちですが、他者の力を頼ることは何ら悪いことではありません。むしろ、一人でできることは限られるので、再就職・転職までのタイムロスを減らすためにも、積極的に支援を活用しましょう。
最近では、国をあげて氷河期世代対策を行っているため、氷河期世代専用窓口を置くハローワークも増えています。さらに、国の後押しもあって、社会人インターンシップを導入する企業も現れ始めています。社会人インターンシップとは、短い間、試験的に会社で働くこと。
採用試験を兼ねていることもあります。こうした制度を利用すれば、「こんな企業だとは思わなかった」「こんな仕事をさせられるとは思わなかった」などの入社前後のギャップを最小限に抑えることができます。
この記事であげた他にも、いまの自分の就職・転職活動の仕方が本当に正しいのか?立ち止まって考えてみる癖をつけていきましょう。