新型コロナ発生によって、社会は大きく変わりました。例えば、リモートワークが広まったことで、余暇や家族と居られる時間が増えたりしました。もはやリモートワークは、感染防止のための弥縫策的な対応ではなく、コロナが収束しても継続すると宣言している企業が増えています。会社に出勤する必要がなくなったことで、通勤圏内に住む必要も無くなりつつあります。IT大手のヤフージャパンは、2022年4月から国内であれば社員がどこでも住めるよう社内制度を拡充しました。他にも、NTTやカルビーが転勤や単身赴任制度を見直す動きを見せるなど、従業員がより働きやすいような環境の整備を進めています。
こうした動きは、従業員にとって明らかによい変化と思える反面、上記のようなニュースを耳にするたびに、「いや、こっちは緊急事態宣言中も通常通り出勤していた」や「うちの会社は、アナログすぎてリモートワークなんてできない」「出勤どころか仕事を失った」という人の声も同時に聞こえてきます。
コロナ発生当初こそ、飲食店や旅行業を中心とした雇い止めなどの問題が大きく取りざたされましたが、2年も経つとそうした苦難を受けた人々にスポットを当てられる機会も減ってきました。別の業界や職種へ無事転職できた人もいたでしょうが、多くは低賃金や非正規での雇用を余儀なくされており、その状況は現在も続いています。
「コロナで良い思いをできているのは、エリート企業だけ」と思ってしまうのも無理もありませんが、ルサンチマンを積み重ねていくだけでは、目の前の生活を変えることはできないままです。では、どうすれば前向きな気持ちを持ちで仕事ができるようになったり、今よりも良い職場環境の会社へ転職できるようになれるのでしょうか。前置きが長くなりましたが、今回はその心得をご紹介します。
①他人と自分を必要以上に比べない
「他人と自分を比べることはよくない」。
頭では分かっていてもどうしてもそうしてしまうというのは、人間のサガかもしれません。ただ、自分と同じような境遇の人や自分より辛い思いをしている人がいると分かると、「自分はまだ恵まれている」とどこか気が楽になれる時もあると思うので、一概に他人と比べることが悪いとは言えません。
したがって、他人と比べることが100%悪いとも限りませんが、他人と自分の「差」に目を向けるのは良くありません。「差」に着眼すると、なんでこの人にはできて、自分にはできないのだと自己否定につながったり、不必要に相手を嫌いになってしまうからです。
大切なことは、差ではなく、他人自身に着目するということかと思います。そうすることで自分との共通点を見出せたり、自分にも真似できたり参考にできたりすることが見つかるかもしれません。
他人との差に注目するのではなく、その人自体を観察し学べるべきところは自分も吸収してやろうと前向きに捉えられるようになると、「人は人、私は私」と思えるようになると思います。
②いい意味で諦める
少しでも良い職場環境に転職するために、「〇〇の資格を取ろう」「△△の勉強をしよう」と頑張ることはもちろん大切ですが、その頑張りを持続させることができないという方は多いのではないでしょうか。
そんな方は、「自分にはこれしかできない」ということを極めた方が逆に道が切り拓けるかもしれません。やれこれからはエンジニアとしてのスキルが必要だ、やれ○○の資格がこれからの時代は必要だと言われたりしますが、そうした煽りに踊らされすぎると疲弊してしまうだけになってしまう可能性があります。
餅は餅屋ということわざがあるように、「理想」をあまり追い求めず、自分のできることをひたすら磨き続ける方が良い場合もあります。「理想」とは、往々にして自分自身の理想ではなく、社会が求めてくる理想を、自分のものと勘違いしてしまっているケースが多いこともあります。本質的には、自分の理想ではないために無理が生じ、努力を継続できないと考えられます。誰かの理想を追い求めるのではなく、自分が少しでも興味のあること、「これだったらできる」という分野をコツコツ積み上げていきましょう。
③ 小目標を立ててみる
いきなり「大企業に転職するんだ」等の目標を立てると、実現が難しかったり、目標を立てるだけで終わってしまう可能性があるので、目標と今の自分の中間地点にあるような小目標を立てることから始めてみましょう。例えば、今働いている会社でこの業務だけは誰にも負けないようにする、毎日1時間だけは○○の勉強をするなど、実現のハードルが比較的やさしい小目標を設定するのです。そうすることで、最終的な目標である転職という実現に一歩近づくことにつながります。
今の会社で一番の成績を収められたら、それを転職の面談でアピールポイントにできます。あるいは、今の会社で実力を認められることでやっぱりここで働き続けたいと思えるようになるかもしれません。
まとめ
日本国内でも賃金の格差が広がっており、恵まれた環境にいる人とそうでない人との間では分断がより色濃くなってきています。恵まれた人を羨んだり、妬んだりしてしまうこともあるかもしれませんが、どうにかそれをポジティブなモチベーションに変換してみるコツを掴んでいくことが何より自分のために大切なことかと思います。その試みの一つとして、3つの心得をご紹介しました。中には、「そうはいっても他人と比べてしまい自己嫌悪にいつも陥ってしまう」「小目標といっても、どんな目標を立てたら良いのか検討もつかない」と思う人もいるかもしれません。そんな方は無理して一人で頑張るのではなく、キャリアコンサルタントによるサポートを頼ってみても良いでしょう。キャリアコンサルタントと聞くと民間の人材サービス会社の人たちを想像するかもしれませんが、昨今は、行政によるサービスも広がってきているので、安心して相談することができます。
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