小卒とは最終学歴が小学校卒業の人のことを言います。
通常の学歴パスと異なり、早い段階で学業を終了し、社会に出る選択をする人々のこと。なかには「中学の時に不登校だったけど、小卒扱いになる?」そう疑問に思う方もいるかもしれません。
結論からいうと中学校を不登校だったとしても小卒扱いになることはありません。
それは、現在の日本では義務教育制度が制定されているからです。しかし、戦前では義務教育がなかったため、小卒の人もいたという背景があります。
本記事では、小卒や中卒の実際の有名人を紹介するとともに、学歴不問でも就職できる業種について触れています。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
小卒とは最終学歴が小学校卒業のこと
小卒とは最終学歴が小学校卒業の人のこと。
戦後の日本で生まれ育った人の場合は基本的に存在しません。理由としては、中学校は義務教育であり、1日も登校しなくても自動的に卒業扱いとなるからです。
法律上でも、小、中学校は、出席日数は進級・卒業認定の要件と定められておらず、1日も出席しなくても校長の裁量によって、子どもの家庭や学校以外の場での学びと成長を評価して進級・卒業を認めることができるようになっています。
戦前は珍しいことではなかった
現在の日本では義務教育があるため、小学校を卒業すると同時に中学校へ進学します。そのため、現段階では、小卒で仕事に就くというのはありません。
ただ、小卒は戦前では珍しいことではありませんでした。
日本の義務教育は、昭和22年(1947年)に制定された学制により、初等教育が6年間義務化されました。その後、中等教育も進化して中学校への義務教育が確立されました。
「戦前」という用語は、通常、日本においては第二次世界大戦(太平洋戦争)が始まる前の時期を指します。具体的には、1945年の敗戦までを指すのが一般的です。
そのため、昭和20年(1945年)以前は小学校へ行っても中学校へは進学せず、仕事を始める人が居たというわけです。
昭和22年(1947年)の義務教育化により、以降は存在しない
前述の通り、昭和22年(1947年)の義務教育化に制定されたことにより、小学校を卒業後も中学校への進学が義務づけられていました。そのため、この制定以降は小卒で仕事へ就く人は存在しなくなります。
義務教育制定につき、「六・三・三・四制」が学校教育法に基づく教育制度に取り入れられました。
この制度は、小学校6年、中学校3年、高等学校3年、大学4年という学校段階を指します。
義務教育は中学校までですが、戦後は中学卒業以降も高等学校や大学への進学をする人が増えていきました。
義務教育の制定につき不登校になっても中学卒業扱いになる
義務教育の制定に伴い、不登校になっても中学卒業と同等に扱われる制度が確立されました。
これは、学習環境において様々な理由で学校に通えない状況にある生徒たちに対する柔軟性を持たせるための取り組みです。
この制度により、不登校が続いた場合でも、中学卒業資格を得られ、将来の進路においてもより多くの選択肢が開かれます。
小卒の有名人とは?
小卒の有名人には以下の人たちがあげられます。
- 田中角栄(元総理大臣)
- 本田宗一郎
- 松下幸之助
- 松本清張
- ヨシップ・ブロズ・チトー
それぞれ紹介していきます。
田中角栄(元総理大臣)
田中角栄は日本の政治家で、第41・43・44代日本の総理大臣を務めました。
彼は昭和時代から平成時代初期にかけて政界で活躍し、経済政策などに影響を与えています。
ただし、彼は政治資金の不正流用などに関与し、贈収賄事件で有罪となっています。
本田宗一郎
本田宗一郎は日本の実業家で、本田技研工業(ホンダ)の創業者です。
彼はオートバイや自動車の設計と製造において優れた業績を上げ、ホンダを世界的な企業に育て上げました。
自動車技術やレース活動において多大な影響を与えました。
松下幸之助
松下幸之助は日本の実業家で、パナソニック(当時は松下電器産業)の創業者であり、長らくその経営者として活躍しました。
彼は経営理念や人間主義の考え方で知られ、企業家としての成功だけでなく、社会的な影響も大きい人物でした。
松本清張
松本清張は日本の小説家で、推理小説やサスペンス小説の巨星として知られています。
彼の作品は多くが映画やテレビドラマにもなり、広く読まれています。
代表作には『砂の器』や『点と線』などがあります。
ヨシップ・ブロズ・チトー
ヨシップ・ブロズ・チトーはユーゴスラビアの政治家で、第2代ユーゴスラビア連邦社会主義共和国の大統領を務めました。
彼は第二次世界大戦中のパルチザンの指導者であり、その後、ユーゴスラビアの大統領として国を統治しました。
チトーは非同盟主義の提唱者としても知られています。
中卒の有名人とは?
中卒の有名人には以下の人たちがあげられます。
- 山田孝之
- TAKUYA∞(UVERworld)
- 亀田三兄弟
- 市井紗耶香
- 西川きよし
- 家入一真
それぞれ紹介していきます。
山田孝之
山田孝之は日本の俳優で、映画やテレビドラマなどで活躍しています。
どこでも良いから受験しろと言われて、高校を受験しましたが、結果的に不合格となりました。
そこで進学は諦めて、芸能活動に力を入れ出したようです。
TAKUYA∞(UVERworld)
TAKUYA∞は日本のロックバンドUVERworldのヴォーカリストであり、楽曲の作詞や作曲も手がけています。
バンドはアニメや映画の主題歌を手がけ、その独自の音楽スタイルで知られています。
音楽雑誌などで語られているインタビューによると、中学の段階で「将来は音楽で食べていく」と決めたため高校には進学をしなかったそうです。
亀田三兄弟
亀田興毅、亀田和毅、亀田大毅からなる日本のボクシングの兄弟トリオ。
3人ともプロボクサーとして活動し、若い頃から注目を集めました。
市井紗耶香
市井紗耶香は日本の女優・タレントで、ドラマや映画、バラエティ番組に出演しています。また、歌手としても活動し、一部の楽曲が人気を集めました。
西川きよし
西川きよしは日本の漫才師・歌手で、漫才コンビ「西川きよし・りりっく」の一員として知られています。
家庭の困窮のために、最終学歴が中卒となっているようです。
高校中退(中卒)の有名人とは?
高校中退(中卒)の有名人には以下の人たちがあげられます。
- 小栗旬
- 香取慎吾
- 亀梨和也
- 熊谷正寿
- 家入一真
- YUI
- 三原じゅん子
- 藤井聡太
それぞれ紹介していきます。
熊谷正寿
GMOインターネット株式会社の創業者であり代表取締役会長兼社長です。
國學院高等学校を中退しているため、最終学歴は中卒となっています。
小栗旬
小栗旬は日本の俳優で、映画やテレビドラマなどで幅広く活躍しています。
高校との両立が難しく、最終的には明星学園高校を中退しているため、中卒となっています。
香取慎吾
香取慎吾は日本のアーティストで、SMAP(スマップ)のメンバーとして知られています。
アイドルグループとしての活動だけでなく、俳優や司会者としても成功しました。
亀梨和也
亀梨和也は日本の俳優で、KAT-TUN(カトゥーン)のメンバーとしても知られています。
俳優としては、映画やテレビドラマで活動しています。
家入一真
家入一真は日本のシンガーソングライターで、彼の楽曲は映画やドラマの主題歌としても使用されています。
玄界高等学校を中退しているため、最終学歴は中卒となっています。
YUI
YUI(ユイ)は日本のシンガーソングライターで、ロックやポップスの楽曲で人気を博しました。
代表曲には『Good-bye days』や『CHE.R.RY』などがあります。
三原じゅん子
三原じゅん子は日本の女優で、映画やテレビドラマで活動しています。
『あまちゃん』や『半沢直樹』など、数々の作品に出演し、その演技力で知られています。
藤井聡太
藤井聡太は将棋で、非常に若い年齢でプロ入りし、将棋界において驚異的な成績を収めています。
将棋界の注目選手として活躍しています。
エジソンは小学校を3カ月で退学したエピソードも
トーマス・エジソンは、入学からわずか3カ月で、小学校を退学しました。
電灯電球の発明者として知られていますが、彼は若い頃に学校での伝統的な教育になじめなかった一人でした。
小学校に入学したエジソンは、教育制度に疑問を抱き、好奇心旺盛な彼は授業に飽き足らず、自分のペースで学びたいと考えていました。
実際に、エジソンは自己学習を重ね、独自のアプローチで知識を蓄積しています。
この経験が後の彼の発明家としてのキャリアに大きな影響を与え、伝統的な教育にとらわれず、自分の好奇心を追求する姿勢が彼の成功につながったと言えるでしょう。
仕事はどうなる?小卒で就職することはできるのか
小卒で就職する場合は以下の通りです。
- 戦前は、農業や家業を継ぐことが多かった
- 不登校で小中学校に通えていない場合は、行政・民間の専門家に相談してでできることから探す
1つずつ解説していきます。
戦前は、農業や家業を継ぐことが多かった
昭和初期までの日本では、小卒の方々が主に行っていた進路の一つが、家業や農業を継ぐことでした。
多くの家庭が農村部にあり、家業や農業は生計を立てる手段であり、家族の継続的な生活を支えていました。
小卒であっても、親の仕事を引き継ぐのが一般的で、その道で専門知識や技術を身につけながら生活していくことが期待されました。
このような継承の形態が広く行われていた時代背景があります。
不登校の場合は、行政・民間の専門家に相談してでできることから探す
不登校で小中学校に通えない状況にある場合、行政や民間の専門家に相談し、できることから就職先を探すのが重要です。
以下はそのアプローチの例です。
- 行政のサポート
- 専門の団体やNPO
- 学習支援機関
- 職業訓練機関
不登校であるのがハンディキャップとならないよう、専門家やサポート機関の力を借りながら、できることから一歩ずつ前進していくのが重要ですよ。
学歴不問で就職しやすい業界まとめ
学歴不問で就職しやすいと言われている業界は以下の通りです。
- 営業職
- 大工
- プログラマー
- サービス業
- 介護
- 警備員
- 接客・飲食
- 公務員
- 工事現場
- 運転手
学歴不問でも就職しやすい業界があるので、その業界を狙いましょう。
仕事探しに悩んだら適職診断・転職エージェントがおすすめ
仕事探しの際に悩んでいる場合、適職診断や転職エージェントの活用が有益です。
適職診断は自己理解を促進し、方向性を提案してくれますよ。
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自分に合った仕事を見つける手助けが期待できるので、気になる方はぜひ活用してみてくださいね。
まとめ
現代の日本では、小卒で仕事に就くというのは存在しません。なぜなら、昭和22年(1945年)に義務教育制度が制定されたからです。
仮に不登校で学校へ行けない場合でも、中学校までは卒業資格があるので、小卒にはなりません。
中学卒業後に仕事に就いたり、高等学校を中退すると中卒扱いになります。
中卒の場合でも活躍している人はたくさんいるので、自分に合った職業を見つけるのが大切になってきます。