ということで以下では、「こんなことで・・・!」と思うことで職場環境や生産性が改善した事例を紹介します。
「週休3日で生産性向上!?」
engadget『日本マイクロソフト、週休3日制導入実験で生産性が40%も向上。会議は30分まで、メール対応も制限』
日本マイクロソフトは、今年8月に働き方改革の一環として「週休3日制」を取り入れたようです。すると驚いたことに社員1人あたりの売り上げに換算した労働生産性が40%も向上したそうです。
週休3日制を定着させたいがために、社員総出で普段よりも全力で仕事に臨んだのではないか!?と疑ってしまうほどの実験結果になっています。とはいえ「残業は偉い」とされるような非効率な会社であれば、こうした劇的な改善もありそうですが、外資系ITというもともと効率を重視してきた会社でも40%も成長というのは驚くべきことではないでしょうか。旧態依然としたTHE日本企業が、週休3日を導入すれば40%アップどころではない伸び代が期待できそうです。
また、下記のように生産性アップに加えて、コスト削減にもなるようです。
“取り組みを終えた段階で社員2280人を対象としたアンケートにおいて、90%以上の従業員が仕事に対する意識や行動に良い変化があったと回答しました。また、毎週金曜日を休みとしたこともあり、取り組みが行われた月の電力消費量は前年同期比23.1%減少。会議をなくしたことで書類の印刷枚数は58.7%も減少したとのこと。”
「室温25度で何が削減された?」
兵庫県の姫路市は、7〜8月にかけオフィスの冷房時の室温を、環境省が目安としている28度より低い25度に設定したところ、仕事の効率がアップしたようです。
この取り組みは、「室温が25度から28度に上がると作業効率が6%低下する」という専門家の分析をもとに行われました。
実証実験の結果、職員の8割以上が「業務効率が向上した」と答え、前年と比べて総残業時間は14.3%減り、人件費を約4000万円減らすことができたそうで、対して光熱費は約7万円増というからコストパフォーマンスが非常に良いです。
この取り組みは、室温という、些細にみえる職場環境がいかに人間に、そして経営に与える影響が大きいかを象徴しています。職場環境全般の重要性を認知してもらうためにも良い啓発になっているのではないでしょうか。
「姫路市のように室温を下げるだけでこんなにも変わるのだから、○○をすればもっと改善するはずです」というふうに、本当に取り組みたい社内改善策の説得材料にも使えそうです。
「見えにくい小さなありがとうを可視化」
昔は、昇給というかたちで自分の働きがお金という対価として返ってきました。ところがここ20~30年の平均給与は横ばいあるいはむしろ減っているといったデータも見受けられます。昇給というインセンティブがもはや期待できない今、注目されているのが従業員間の新しい評価制度「ピアボーナス」です。
“Uniposとは
従業員同士が、日頃の仕事の成果や行動に感謝・賞賛するメッセージとともに、ポイントを送りあえるwebサービスです。
ポイントは、成果給(ピアボーナス®)として従業員に還元する他に、Amazonギフト券やお菓子など各社自由な形でご設定いただけます。”
マネージャーという立場からでは見えにくい従業員の頑張りを可視化するということが、新しさの1つです。また、マネージャーの特権であった「評価」という行為を、誰でもできるようにしたというのも、実は生産性向上に役立っています。一方的に評価される側でしかなかった人も、評価する側になりうる。それが当事者意識につながり、会社に対するエンゲージメントが上がることで、主体的に仕事に関わるようになったり離職率が減ると行った効果が期待できます。
自分の居場所を変えるか、今いる場所を良くするか
労働集約型のビジネスからの移行が急務となる中で考えられる私たちの生存戦略は、ざっくり分ければ以下のようになるでしょう。
①ITなど時代の先端をいく会社に転職する
②今いる職場の労働生産性をあげる
どちらも難しさはありますが、できるところから始めてみてはいかがでしょうか。①であれば、昨今は大手求人サイトでIT業界を特集していたり、GreenなどIT業界に特化した求人サイトもあります。また、「未経験だからIT業界に転職できるか不安」「将来に向けてどういうキャリアパスを描いたらいいのか」といった悩みのある方は、CHOICE!といったキャリア相談サービスを利用してみるのもいいでしょう。
②であれば、本記事で紹介した事例をぜひ参考にしてもらえたらと思います。