この記事の対象者は、退職後すぐに別のところで仕事をしない・出来ない人です。そのような人は年金や健康保険の手続きを自分でしなければなりません。
当記事では「年金」「税金」「健康保険」の3つについて、どれくらいの期間までに手続きをしないといけないのか、持っていくものは何が必要なのかについて書いていきます。参考にしてみてください。
年金
企業に所属していると、自分で年金や税金を払わずとも、会社が給料からの天引きで支払ってくれます。ですが退職すると第2号被保険者から第1号被保険者となり、自分で年金や税金を払わなくてはなりません。第1号被保険者とは国民年金のみに加入している自営業や学生、無職などの企業に属していない人です。
手続きの手順としては、退職した後、14日以内に自分の住む市町村の役所に行きます。そこで年金手帳や印鑑、離職票などを「国民年金窓口」に提出し、切り替えを申し出るだけです。
手続き自体はこれで完了なので、納付書が届くのを待ち月額の保険料1万6410円(2019年)を払いましょう。
手続きしなくても、厚生年金が喪失すれば自動的に国民年金に加入されます。そして数ヶ月後、未納分の納付書が送られてくるため、それを支払うことでも納付が出来ます。
税金(所得税・住民税)
住民税の場合
退職時期によって支払い方が変わってきます。
1月~5月の間に退職した場合だと、前々年の所得に対して課税された5月までの住民税を退職時に一括で払います。6月1日の時点で新しい会社で働いているのであれば、その会社が税金の支払いの手続きをしてくれるので心配はいりません。
6月~12月の間に退職した場合だと、前年の所得に対して課税された住民税を一括で払うのか分割で払うのかを選択できます。
一括の場合であれば、会社と相談して退職金から引くのか、給与からの天引きで対応するのかを相談しましょう。分割の場合は納税通知書が自宅に届くので、自分で支払うことになります。
所得税の場合
年内に就職した場合としなかった場合で手続きが変わってきます。
年内に就職した場合は転職先の会社で年末調整を行いますが、年内に転職しなかった場合は自分で確定申告をしなければなりません(年末調整に間に合わなかった場合も、自分で確定申告をしなければなりません)。
翌年の2月中旬から3月中旬に税務署に行き、確定申告を行いましょう。持っていくものは、以前勤めていた会社の源泉徴収票と各種控除証明書、印鑑です。
健康保険
退職後、新しい仕事が決まっておらず、親の扶養にも入っていない場合は、「国民健康保険」に加入するか、「任意継続被保険者制度」を利用しなければなりません。「任意継続被保険者制度」とは、退職後に最長2年間、被保険者の資格を継続できるというものです。もしどちらも利用せず、親の扶養にも入っていない場合は、医療費が満額請求されます。
国民健康保険に加入する場合
退職してから14日以内に自分が住む市町村の役所に行き、手続きをします。持っていくものは、「健康保険の資格喪失日が分かる証明書」・「退職証明書」又は「離職票」・「届け出書」・「印鑑」です。
手続きする際の注意点としては、退職日の翌日から14日以内に手続きをしないといけないということです。過ぎても手続きは可能ですが、手続きが完了するまで無保険状態となります。
「任意継続被保険者制度」を利用する場合
こちらも国民健康保険に加入する場合と同じように、期間は違いますが退職してから20日以内に手続きを行う必要があります。手続きを行う場所は、自分が住む市町村の社会保険事務所。または加入していた保険組合です。
持っていくものは、「健康保険任意継続被保険者資格取得申請書」・「住民票」・「保険料(1ヶ月分)」「印鑑」になります。
注意点としては、こちらも20日以内に申請しなければならないということです。さらに「国民健康保険」に加入するのと違い、「任意継続被保険者制度」の手続きは遅れると制度を利用することができません。「正当な事由」 (天災地変、交通、通信関係のストライキなどによって法定期間内に届出ができなかった場合)のときは、遅れても手続きはできますが、それは稀だと考えた方がいいでしょう。
そのため、「任意継続被保険者制度」を利用しようと考えている方は、必ず20日以内に手続きする必要があります。
ただ退職の翌日から20日目が土日祝だった場合、その前営業日までが申請期限となるので、その点も注意が必要です。
まとめ
今回、会社を退職した際にしなければならないことについて書いていきました。
年金の場合、14日以内に自分の住む市町村の役所に行き手続きを行います。こちらは多少遅れても大丈夫です。
所得税の場合、1月~5月の間に退職した際に一括で払います。退職金からの天引きか、給与からの天引きかは会社と応相談です。
6月~12月の間に退職した場合だと、一括か分割かを選ぶことができます。分割の場合は、納税通知書が自宅に届くのでそれで支払いましょう。
所得税の場合、年内に転職すれば何もする必要はありませんが、年内に転職しない場合は来年の2月中旬から3月中旬に税務署へ出向き、確定申告をする必要があります。
健康保険は、「国民健康保険」に加入か、「任意継続被保険者制度」を利用するかを考えます。国民健康保険は14日以内。「任意継続被保険者制度」の利用手続きは20日以内です。
「国民健康保険」の場合は遅れても手続き可能ですが、「任意継続被保険者制度」の利用の場合は遅れると手続きが不可になります。20日目が土日祝の場合は、前営業日が最終日となるため注意が必要です。
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