キャリア相談を受ける前にしておきたいこと|悩みの種類別

転職・就活
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昨今、キャリア相談サービスが増えてきています。相場は、1回数千円から万単位のものまで。それなりの値段であるにも関わらず、利用者が増えているということは、キャリア相談の文化が一般に広まってきたと言えると思います。ただ、その貴重な機会を皆さん有効活用できているでしょうか。相談を受けた方の中には、「これだけ高いお金を払ったのに、何も意味がなかった」と感じた経験があるかもしれません。

もちろんこれはキャリアコンサルタント側の問題が大きいでしょうが、相談する側もできることはあります。お金を出すなら、もっとキャリアコンサルタントを利用しきらないといけません。そこで今回は、相談の内容別に、キャリア相談に行く前に事前に準備しておきたいことを紹介していきます。

 とにかく話を聴いてほしい

身近に愚痴や悩みを吐露できる相手がいない人は、それをとにかく吐き出したいという気持ちが強くなる傾向にあります。ただ、貴重なキャリア相談の機会を、感情や愚痴の掃き出しで終わらせてしまうのはもったいないかと思います。もちろん、切羽つまっている人は、とにかくガス抜き的に溜まったストレスを言葉にして吐き出すことも大切な場合もあります。また深刻な場合は、キャリア相談よりも、然るべき公的な機関に連絡するのが良いかと思います。

身近に相談できる相手がいない人がまず出来ることとしては、自分の気持ちをノートに書いたり、自分にメールを送ってみるのもいいかもしれません。文字にすることで、気持ちに整理がつきます。そのメールを自分へ送信すると、より客観的に自分をみつめることもできるかと思います。自分からメールがくると、「私ってこんな風に思っていたんだ」と冷静になれます。そうして、気持ちと状況に整理がついた段階で、キャリア相談をすると、感情の吐きだしに終始することなく、悩みの本題に多くの時間を割けるので、相談時間を有効活用できるかと思います。

 何をすればいいのか分からない

もやもやした悩みがあるけどそれに対し「何をすればいいのか分からない」という声が相談者からよく聞かれます。だからこそ、プロの力を頼ってキャリア相談にこられているのでしょう。

ただ、相談にいく前にまず自分で出来ることがあります。

「何をすればいいのか分からない」。これは、つまり悩みに対しどのような対処方法(=選択肢)があるのかをそもそも認識できていないと考えられます。例えば、「自分がどんな仕事をしたいのか分からない」という方は多くおられます。その際、自分を理解することが一番大切ですが、その前に世の中にどんな仕事があるのかをちゃんと理解することが第一ステップです。まずは業界理解や最近の仕事のトレンドを知ることから始めてみましょう。もしもあなたが収入を重要視しているのであれば、今後求められる職を把握することが大切です。この場合、もしあなたが中途採用の人であるとしても、新卒向けの就職ガイド本はおすすめです。なぜなら、新卒向けの本は仕事の将来性を考慮した構成になっているからです。業界理解については、一番適しているかもしれません。

このようにまず悩みに対する対処方法(=選択肢)を知れば、少なくとも「AかBかCかな」とアタリをつけることができると思います。そうすれば、キャリア相談も効率的に行えるでしょう。「何をすればいいか分からない」という状態で相談に臨むよりも、「AかBかCかどちらにすればいいか分からない」という状態で臨んだ方が、適切なアドバイスを受けられやすくなるということです。

 給料が上がらない

収入はキャリアを選択する上で大きな要素です。求人検索する際も、年収の欄を必ずチェックする人は多いのではないでしょうか。ただ、この時気を付けておきたいことがあります。そのひとつに、「その求人は昇給が期待できるのか」ということです。求人情報に書かれた収入=目先の情報に惑わされてはいけません。

給料が高くても昇級が期待できないのであれば、入社時の年収が低くても昇級が見込める仕事に就いた方が長期的にみれば収入総額が高いかもしれません。また、高年収を大々的にアピールしている求人は、離職率が高いことも考えられます。同じ求人が、複数の求人サイトで掲載されていないか、短期間に求人をたくさん出していないか、注視する必要があります。このようにある程度求人を見る目を養ってから、キャリア相談を受けるとより有意義な相談となるでしょう。

また余裕があれば、高収入を手にいられるなら何を犠牲にできるか、ということまで考えられるとよいでしょう。例えば、高収入であるけれど、残業時間が多かったり、成果給が高く基本給が低かったりする可能性もあります。残業時間が許容範囲内か?月によって、給料のバラつきがあってもいいか?を事前に理解しておく必要があるでしょう。

 希望の求人が見つからない

自分が行きたい業界や職種の求人が見つからない、という声も多く聞こえます。これはつまり、自分の働きたい仕事が明確であるということなので、良いことです。エンジニアやデザイナーなど専門職を目指す人が特にこうした悩みを抱きがちかもしれません。もしかしたら、そうした人たちは、いきなり本丸で働きたいと考えすぎなのかもしれません。自身のスキルが高ければ、問題ないですが、働きながら学んでいきたいと考えているうちは、希望の会社で働くことは難しいかもしれません。そもそも求人の応募資格の時点で足切りされたり、たとえ面接まで行きついたとしても、経験年数やスキルの問題で落とされてしまうことが予測されます。まずは、現在の自分のレベルで十分に戦える企業から攻めて、そこで経験と実績を積んで本丸の企業に挑んだ方が結局は近道かもしれません。このように3年、5年、10年単位で自らのキャリアパスを描いておくと、最初から大きな壁に直面することなく少しずつステップアップすることができると考えられます。キャリアパスを描いた上で、キャリア相談をしてみると、より生産的な時間となるでしょう。

 人間関係の悩み

これこそ寄せられる相談の中で一番多い悩みかもしれません。パワハラを受けたり、社風になじめなかったり、特定の人から痛がらせを受けていたり・・。こうしたことをキャリアコンサルタントに相談する際に気を付けておくべきことはなんでしょうか。それは過去の似たような経験を洗い出しておくことです。いくら優秀なキャリアコンサルタントでも、1つのケースだけで、あなたの性格を分析し、あなたにとって苦手な人などの傾向を分析することは難しいです。人間関係のこじれは、珍しいものではないので、これまで経験した対人関係の悩みは複数回あるのではないでしょうか。なければ、学生時代や小中校の時代にさかのぼってもかまいません。こうして人間関係の悩みを複数用意しておくと、その中からキャリアコンサルタントがあなたの傾向を理解してくれやすくなり、良質なアドバイスを受けることができます。

 最後に

貴重なキャリア相談を無駄にしないためにも、できる準備を事前にしておくことが大事です。キャリアコンサルタントは、あなたの代わりにあなたの悩みを解決してくれる人ではありません。やはり最後は自分で解決する、という自らの主体性が鍵となります。キャリアコンサルタントは、あなたの主体性を引き出したり、あなたが気づいていないあなたの可能性を見出してくれる存在です。事前準備によって、キャリアコンサルタントをうまく利用することがポイントです。

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