就職氷河期世代|再就職・転職に失敗してしまう人の3つの共通点

その他
その他

就職氷河期世代の方々は、社会人のスタートをうまく切れなかったために、今なお不安定な雇用環境に見舞われています。これは時代的、構造的な問題であるので、個人の頑張りでは如何ともしがたい大きな課題といえますが、冷静に分析していけば解決の糸口は必ず見えてきます。そこで今回は、なかなか再就職・転職ができない就職氷河期世代の人の共通点について探っていきます。

① 年齢の壁の攻略の仕方をわかっていない

よく転職には「35歳の壁」が立ちはだかるといわれます。この「35歳の壁」とは、35歳を過ぎた頃から年齢的な問題で、転職が難しくなる現象を指しています。採用される側にとっては、「何と理不尽な壁なんだ」と感じてしまいますが、この壁を攻略するには、まずは「どうして採用する側は、35歳以上を採用したがらないのか?」ということを理解する必要があります。「彼を知り己を知れば百戦殆うからず(かれをしりおのれをしればひゃくせんあやうからず)」ということわざがあるように、まずは相手を知ることが攻略の鍵です。なぜなら相手を知れば、こちらも対応策が練りやすいからです。企業側はどうして若い世代を欲しがり、逆に年長者を採用したがらないのでしょうか。その理由を以下で見ていきましょう。

採用する側が年長者を敬遠しがちな理由:自社のカルチャーに馴染めるのかを懸念するため

20代などの若手の方が、頭が柔らかいため適応力や吸収力があると考えられます。彼らはまだ社会人生活が浅いため、特定の会社のカルチャーに染まっておらず自社の風土に馴染みやすいと、採用する側は感じるのです。一方で、40代前後になると、自分の価値観などが出来上がってしまっており、新しい会社の価値観に馴染むことが難しくなるのではないか、と採用する側は懸念してしまいます。

そうであればこそ、面接の場では、前職の悪口を言うのはもちろんNGですが、前職の話に触れるとしてもあくまで「(前職の経験をもとに)次はこうしたい」という未来への前向きな希望を語ることが大切です。

採用する側が年長者を敬遠しがちな理由:採用コストを回収できるか不安なため

上記と重なりますが、20代など若手であれば、多少スキルが足りていなくても教育によって育て上げることができますが、40代前後となると入社後すぐに活躍できる即戦力が求められます。求める人材レベルが上がるため、経験者採用が主となり、採用ハードルが高まったり間口が狭くなったりすることが多々あります。企業側は、「採用」をある種の「投資」として考えており、採用コストに見合う利益をその人材が将来上げられるのか?(=投資対効果が高いか?)というシビアな目線で捉えているのです。年齢が若いというだけで有利なのは、投資対効果の期待値が高いからです。短期的には難しくても、長期的に見れば投資(採用)コストを回収できるだろうという思惑が働いています。

ということは、その思惑をうまく逆手にとることができれば、35歳の壁の攻略につながります。例えば、「これが最後の転職にします」という覚悟(=長期で働く意思)を示したり、資格を保有していることや資格取得に向け勉強中であることアピールするなど、自分を採用することで会社の利益になるということが相手に伝われば、状況は変わってくるはずです。

② 行きすぎた真面目さにより自信がなく見えること

就職氷河期世代で再就職・転職に失敗してしまう人の共通点に話を戻します。この人たちに共通することは、あまりに自分を低く見積もってしまうことです。これまで非正規雇用として働いてきたり、仕事のブランクがあったりすることについて、「自分の能力が足りていなかったからだ」「自分が怠けていたからだ」と思いすぎてしまう傾向にあります。内省的なことはもちろん良いことですが、それが行き過ぎると、頼りない印象を相手に与えてしまいます。再就職・転職活動の際も、相手のご機嫌を伺いすぎたり、下手に出すぎたりする必要はありません。あくまで自然体で臨むことが大切です。

中には、その「自然体が難しいのだ」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、その場合は面接の場を、自分が採用されるか否かを一方的に判断される場ではなく、面接相手の企業を知りにきたヒアリングの場であるというスタンスで臨むのが良いでしょう。面接では「自分のアピールポイントはこれだ」と鼻から決め込んで挑んでしまいがちですが、企業側が求める人材像がそれと違っている場合には、何のアピールにもなりません。そうではなく、企業が求めているものは何なのかを事前に企業研究したり、面接の場で確認したりして、それにしたがって自分が貢献できるポイントを変えていくことが効果的でしょう。まずは相手のニーズを知り、それに合わせて自分をアピールすることが大切です。

 ③自分の力だけで、就職しようとしまっていること

再就職・転職に失敗しがちな人は、誰かを頼ることが苦手な傾向にあります。親族なり友人なり頼れる人がいるにも関わらず、「迷惑かけたくない」「恥を晒したくない」などの理由から、自分の力だけで頑張ろうとしてしまいがちです。

あるいは、力を貸してくれる存在があることに、気づいていない人もいるでしょう。例えばハローワークが就職・転職支援の代表的な存在ですが、ハローワークでの就職相談や職業訓練などまでは有効に活用できていなかったりします。また、民間では転職エージェントなどがありますが、その存在さえ知らない人もおられます。エージェントに力を借りることの利点は、あなたの魅力を企業に代弁してくれることです。口下手であったり、気恥かしさなどから、自分をアピールすることが苦手な人は多いかもしれません。しかし、そんな場合も、第三者=エージェントがあなたの魅力を企業にプレゼンしてくれます。また、あなたが気づいていないあなたの魅力を見つけてくれることもあります。

仕事のブランクがある人は、対人コミュニケーションがしばらくできていない場合もあるでしょう。そんな時は、ハローワークやエージェントの担当者との対話をリハビリだと捉え、思い切って他者の力を借りてみてはいかがでしょうか。


 

就職氷河期世代という課題は、当事者だけなく、企業の問題でもあります。例えば、35歳の壁もそれ自体に明確な根拠はなく、年齢差別と指摘されてもおかしくはありません。このように企業側こそが考え方を改めるべき点もあります。しかし、企業が変わるのを気長に待っていることができないのも事実。大切なことは、この記事で挙げた通り、まずは相手を分析すること。そして、自分の力だけで頑張りすぎないことです。できる範囲から始めていきましょう。

タイトルとURLをコピーしました