現在増加傾向にあるニートの原因とは、いったいどんなものなのでしょうか？ニートになる原因や心理的特徴、ニートが社会復帰するために活用できるサービスを詳しく解説します。
ニートになる原因とは？
ニートとは、現在増えつつある社会問題の1つです。ニートとの定義とは、「非労働力人口（就業者でもなく失業者でもない人の総称）のうち、学卒の15歳〜34歳くらいまでの未婚者で、家事・通学をしていないもの」と、厚生労働省が「ニートに近い状態の若年無業者」として定義しています。ま
また、内閣府では「若年無業者のうち、就職希望を表明していない・もしくは就職希望を表明していながらも、実質求職活動を行っていない者」をニートと定義しています。
このように、健康で働ける状態の若者がニートになってしまうのは、いったい何が原因なのでしょうか？ニートになる原因は、人それぞれ異なります。例えば、いじめや人間関係・対人関係などの外的要因や、もともとの性格が原因である内的要因など、ニートになる原因は人により千差万別です。
また、ニートを養う経済力がある家庭で、家族がとくにニート状態を問題視していないような場合には、家の居心地の良さが原因でニートになってしまう人もいます。
他にも、就職活動に失敗したことや、社会に出て初めて挫折感を味わったりした経験がトラウマとなり、ニートになってしまうケースもあります。それ以前の学生時代に、中退や退学・不登校などになってしまった人の場合には、その延長で社会人になってもニートのまま引きこもってしまう人もいます。
ニートの原因となる心理的特徴
ニートになる原因は、人それぞれさまざまなものがありますが、その中でもニートの原因となる心理的特徴がいくつかあります。
ニートの原因となる心理的特徴その１
ニートの原因となる心理的特徴の1つ目は、「自己肯定感が低く、マイナス思考」であることです。ニートになる人は、自己肯定感（自信）が低く、マイナス思考の人が多いです。自分に自信がないために、一度の失敗で「すべてが終わった」と諦めてしまうことから、何もしたくなくなりニートになってしまうのです。また、ニートになる人は、マイナス思考であることから、つねに周りからの評価を気にすると同時に、「他人が自分に対して低い評価を付けている」と勝手に思い込んでいます。
このような心理であるために、就職活動で失敗をしたり、職場で何か失敗をしてしまったときには、強い自己否定と恐怖心を感じてしまい、失敗をおそれるようになります。そしてその結果、新しいことにチャレンジする気力がなくなり、ニートの道を歩むようになるのです。
ニートの原因となる心理的特徴その２
ニートの原因となる心理的特徴の2つ目は、「プライドが高い」というものです。ニートになる人は、過保護な家庭環境が原因であることが多いです。過保護な家庭環境には、ニートの原因となるものが多々あるからです。過保護な両親に育てられた人は、基本的に守られて育ったために、自力で生きる力が欠けている人が多いです。さらに、このような環境で育った人は、大切に育てられたために、プライドが高いのも特徴です。
プライドが高いことは、自己肯定感や自尊心も自然と高まるため、心に良い影響をもたらします。しかし、プライドが高すぎてしまうと、我慢することができなかったり、自分の非を認めることができないなど、悪影響の方が多くなってしまいます。このようにプライドが高い人が、就職で失敗したり上司に叱られてしまうと、プライドが傷つくと同時に自信も喪失し、問題を乗り越えたり立ち直ることができなくってしまい、ニートとなってしまうようになります。
ニートの原因となる心理的特徴その３
ニートの原因となる心理的特徴の3つ目は、「対人スキルが低い」というものです。ニートになる人は、人とコミュニケーションを取る力・対人スキルが低い傾向があります。対人スキルが低いと、学校や会社などの集団生活において、人間関係をうまく構築することができないため、トラブルがおきやすいからです。学校や職場になじめなかったり、人とうまくコミュニケーションが取れないためにいじめられてしまうなど、対人トラブルが原因で引きこもるようになり、その結果ニートとなってしまうのです。
ニートが社会復帰するために活用できる就職支援機関
ニートが社会復帰をしたいと思っても、1人の力ではなかなか思うように就職活動が進まないのが現実です。そのため、自分1人では就職することが難しいと感じた場合には、就職支援機関を活用してみることをおすすめします。
ニートが社会復帰するために活用できる就職支援機関は、行政が行っているハローワークなどの公的機関と、民間の就職支援サービスの2つに分けられます。
ハローワークでは、無料で職業相談や求人紹介、就職セミナー、条件さえ満たせば給付金をもらいながら就職するためのスキルを学ぶことができる職業訓練など、さまざまなサービスを受けることができます。それに対し、民間の就職支援サービスでは、一人ひとりに担当者がつき、就職に関する相談から求人紹介など、さまざまなサポートを無料で受けることが可能です。
ニートの原因が障害である場合には「就労移行支援」がおすすめ
ニートの原因が障害である場合には、国の支援制度である「就労移行支援」がおすすめです。就労移行支援とは、障害者総合支援法に基づく就労支援サービスの1つで、一般企業への就職を目指す65歳未満の方を対象としており、就職に必要な知識やスキルの向上のためのさまざまなサポートを行っています。就労移行支援事業所では、一人ひとりの支援計画に沿って、就職に必要なスキルを学びながら、就職の準備を進めることができます。
また、就労支援員には就職の相談だけでなく、自分の体調に関する相談など、就職に必要なサポートをすべて受けることが可能です。就労移行支援は、基本的に無料で利用することができるため、ニートの人でも安心して活用できます。ただし、もしも前年度に収入があった場合には、所得に応じて自己負担金額が発生する場合もあるため、詳しくは市区町村の窓口に問い合わせてみることをおすすめします。
まとめ
ニートの原因は、人それぞれに事情が異なるため、いちがいに1つのものに断定することは難しいでしょう。しかし、ニートになる原因の多くは、それぞれの心理的要因であるといえるでしょう。なぜなら、ニートになる原因として最も大きいものは、「その人の性格や思考、考え方」であるからです。そして、ニートになる原因としてよく見られる心理的特徴は、「自己肯定感が低く、マイナス思考」「プライドが高い」「対人スキルが低い」というものです。
これら3つの心理的特徴は、人と関わる上でマイナス要素となるものばかりであるため、挫折や失敗をしてしまったときに、ニートとなってしまうことが多いからです。そのため、この3つの心理的特徴を持ち合わせている人は、ニートになる可能性が高いため注意する必要があります。
また、今現在ニートで何らかの障害があり、就活が困難な人の場合には「就労移行支援」を利用してみることをおすすめします。就職移行支援は、無料で利用することができ、就職するまでを全面的にサポートしてくれるサービスなので、ニートの人でも安心して活用することができます。
