失業給付金を受給したことがある人はどれほどいるのでしょうか。失業給付金は、失業してしまった人にとって、ぜひ活用したい制度ですよね。しかしながら、失業給付金の受給には、満たすべき条件が定められていることをご存知でしょうか。
条件があるということは、誰でも受給できる制度ではないということなのです。失業しているならば、誰でも受給できるのではないかと考えている人もいることでしょう。しかしながら、複数の条件が定められており、その条件をクリアしたうえで、申請を行う必要があります。
そのため、退職を検討している人は、失業給付金について、正しく理解し、計画的に求職活動を行う必要があります。正しく理解することで、失業給付金をうまく活用し、スムーズに求職活動を行うことができるのです。
では、失業給付金を受け取るために定められている条件とはどのようなものなのでしょうか。失業給付金の条件について詳しくみていきましょう。
失業給付金とは?受給する条件をみる
退職後に転職活動をしようとした時、求職中は収入がないという人も多いのではないでしょうか。そんな時に活用したいものが、失業給付金なのです。失業給付金は、失業した場合や自己都合で退職した時に、支給される手当になります。では、失業給付金には、受給条件があることをご存知でしょうか。
そもそも失業給付金の目的としては、失業してしまった人は、1日でも早く再就職ができるように、求職期間の安定した生活を送るために経済的支援をするという点にあります。しかしながら、失業給付金を受け取ることができるのは、失業者全員ではありませn。失業給付金には受給条件が設けられているため、その受給条件をクリアする必要があるのです。
失業給付金を受け取るためには、「再就職する意思があること」が大前提となります。再就職をしたいが、就職できない状態を「失業の状態」と見なしているのです。
そのため、失業者であっても、退職後にすぐには働く意思のない人や怪我や病気、妊娠や出産などの特別な理由があり、就職することが困難な人は、残念ながら、失業給付金を受け取ることはできないのです。
また、離職前の勤務先で雇用保険に加入していることが条件となっており、かつ一定の条件を満たしている必要があります。その一定の条件とは、退職理由に異なってくるのです。
まずは、自己都合による退職の場合、離職の日以前2年間に、雇用保険の被保険者期間が通算して12ヶ月以上あることが条件となります。
なお、自己都合の退職であっても、自分の意思に反する正当な理由がある場合は、「特定理由離職者」として認められる場合もあります。その場合は、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上であることが条件となるため、条件が少し緩和されるのです。
一方、自己都合ではなく、企業の倒産や解雇により、退職した場合は、離職の日以前1年間に、被保険者期間が通算して6ヶ月以上であることが条件とされます。
そのため、退職を考えている人は、自分自身の雇用保険の加入期間を正しく把握しておきましょう。
失業給付金の条件とは?申請方法を解説
前章で失業給付金の支給条件をみていきましたが、支給条件を満たしている場合は、どのような手順で申請を行う必要があるのでしょうか。
そもそも、失業給付金がもらえる期間が決まっています。失業給付金の支給が認められた場合、受給資格決定日から7日間は「待機期間」とされ、支給されません。そのため、申請をすればすぐに受給できるというわけではないため、注意が必要です。
さらに、自己都合の退職の場合は、待機期間後にさらに3ヶ月の「給付制限」が設けられるため、その期間は給付金を受け取ることはできないため、注意が必要なのです。
失業給付金を申し込む場所は、ハローワークとなります。ハローワークにて、まずは、必要書類を提出しましょう。必要書類の中には、前職の企業にもらう書類も含まれるため、注意しましょう。
書類を提出後は、雇用保険説明会への参加が必須となっています。そしてこのタイミングで「失業認定日」が決まってくるでしょう。
失業認定日が決まれば、月2回以上は、ハローワークを訪問し、求職活動の実績を記載する必要があるため、忘れないように注意しましょう。
失業給付金をうまく活用するためには、条件や制度について正しく理解し、正しく申請をする必要があります。そうしなければ、受給されないという事態に陥ってしまう可能性もあるのです。
失業給付金をうまく活用し、スムーズに受給できるように、正しく申請方法について、把握して、しっかりと準備をしておきましょう。
失業給付金はいくらもらえるの?受給条件とは?
失業給付金には、受給条件や受給期間などが定められていますが、実際に、失業給付金がいくらもらえるのかご存知でしょうか。失業給付金の存在は知っていても、実際の支給額までは把握していないという人も多いのではないでしょうか。
支給額を把握していないと、求職活動期間の生活も危ぶまれてしまいます。そのため、自分が受給するであろう受給額を正しく把握する必要があるのです。
失業給付金の受給額は、「給付日数×基本手当日額」で決まります。「基本手当日額」は、失業給付金の1日の給付額を示しており、「賃金日額」を元に算出されます。
基本手当日額=賃金日額(退職前6ヶ月の賃金合計÷180)×給付率(50〜80%)となっています。なお、基本手当日額と賃金日額には、それぞれ上限額と下限額が定められているため、しっかりと把握しておきましょう。
主な基本手当日額の上限は、一番少ない29歳以下で、6315円、一番多い45〜59歳で8330円となっており、下限は、全年齢共通となっており、2000円となっています。
失業給付金の計算式を正しく理解し、自分の受給される支給額を把握しておきましょう。
まとめ
さて、失業給付金について、詳しくみていきましたが、いかがでしたでしょうか。失業給付金は、失業者が少しでも早く再就職ができるように、求職中の生活を支援する制度です。
失業給付金について、耳にしたことがある人は多いのではないでしょうか。そのため、退職した時は、全員が受給できると考えている人もいることでしょう。しかしながら、失業給付金には、受給条件や受給期間が定められており、必ずしも受給できるものではありません。
退職理由や雇用保険の加入期間により、受給できるかどうかの有無や受給金額が異なるため、誰しも一律支給ではないのです。そのため、退職を検討している人は、まず、自分自身が、失業給付金の受給条件を満たしているのかどうか正しく把握する必要があります。
また、受給条件を満たし、申請が受理されたとしても、すぐに受給できるわけではありません。特に、自己都合での退職の場合は、7日間の待機期間と合わせて、3ヶ月間支給されないのです。そのため、申請から受給までのタイムラグが生じてしまうため、注意が必要です。すぐに受給されると勘違いしている人も多いため、計画的に行うようにしましょう。
失業給付金は、あくまでも再就職を支援する制度です。再就職がスムーズにできるように、上手に活用し、よりよい就職先を見つけましょう。