アメリカの失業率ってどうなの?現状や動向、今後について

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他国の失業率を意識することはあまりないため、気になる人もいるのではないでしょうか。特に日本と深い関係にあるアメリカの失業率は日本への影響を考えると気になるものです。そこで、アメリカの失業率について、現状や動向、今後の予測などを解説します。

コロナでアメリカの失業率は最悪となった

コロナによってアメリカの失業率がどのように変化したのか紹介します。

4月時点のアメリカの失業率は14.7%

コロナの感染拡大はアメリカの経済に大きな影響を与えました。2020年の4月の雇用統計によると、4月時点でアメリカの失業率は14.7%に上昇したのです。アメリカの生産年齢人口のうち14.7%もの人たちが職のない状態になっています。これは他国と比較してもかなり高い数字であり、深刻的な状況といえるのです。

統計が開始されて以降で最悪の水準

アメリカにおいて失業率14.7%という数字は過去最悪の数字です。失業率の雇用統計が始まってから記録された失業率の中でも2020年の4月が最も悪い数字でした。

2月時点では失業率3.5%で50年ぶりの低水準だった

実は2020年2月の時点でアメリカの失業率は3.5%でした。この数字は日本の場合は失業率が悪化しているとみなされるのですが、もともと失業率の高かったアメリカにおいて3.5%という数字はとても優秀なものでした。アメリカの失業率が3.5%にまで低下するのは50年ぶりのことだったのです。2月時点ではまだコロナによる影響はそれほど深刻的なものではありませんでした。そのため、楽観視する声もあったのです。

7月時点で10.2%にまで改善されている

4月にアメリカの失業率は悪化したのですが、その状態が持続することはありませんでした。7月になると10.2%にまで改善されたからです。そのため、これからは失業率がさらに改善していくのではないかと期待されています。

アメリカの失業率の推移

アメリカの失業率の推移についてみていきましょう。

1980年代はアメリカの失業率が悪化していた

アメリカは戦後ずっと高い成長率を維持していました。しかし、70年代に入った頃から景気が悪くなっていき、マイナス成長を記録することもありました。1980年代になるとさらに経済が悪化してしまい、失業率も悪化を続けたのです。1980年代のアメリカは経済混乱期といわれていて、失業者がたくさん出た時代でした。

1990年代にはIT革命により失業率が4%まで低下する

1990年代になるとアメリカの経済は回復します。90年代に起きたIT革命によって、アメリカは世界をリードする存在となったからです。新しい産業分野が登場して、それをリードする存在だったアメリカの経済は回復していき、新しい雇用もたくさん生まれたために、失業率は4%にまで低下しました。アメリカの経済は完全に立ち直ったと思われたのです。

2008年の世界金融危機により失業率が大幅に上昇する

2000年代に入ってもアメリカの経済は好調を維持していたのですが、2008年に世界金融危機が起きました。その中心となっているのがアメリカであり、その影響はとても大きかったのです。世界金融危機以降はアメリカの経済が急激に落ち込んでしまい、失業率が大幅に上昇しました。仕事のない人が街にあふれかえるような状態となったのです。

2020年の2月までアメリカの失業率は徐々に低下していた

日本と同様にアメリカも世界金融危機の影響から少しずつ立ち直っていきました。2020年に至るまで失業率は少しずつ改善していき、2020年2月になると失業率が50年ぶりの低水準にまでなったのです。

これからのアメリカの失業率について

今後のアメリカの失業率について予測します。

コロナの感染拡大で再び失業率が上昇する可能性がある

これからコロナの感染拡大によって失業率が再び上昇する可能性はあります。コロナの感染については、未来の予測が非常に困難です。不確定要素がたくさんあるため、正確な予測をすることは難しく、あまり未来を楽観視するべきではないという意見もあるのです。

再び経済活動の制限が行われれば失業率は高まる

コロナの感染拡大が起きると再び経済活動の制限が行われる可能性があります。そうなると経済状況が悪化してしまい失業率が上昇するでしょう。ロックダウンを解除している国が続々と登場しているのですが、それによってコロナの第二派が起きていると報告されています。実際に二度目のロックダウンを実行している国もあるのです。

コロナから経済が回復するまで時間がかかる

コロナから経済が完全に回復するまでにはまだかなりの時間がかかるでしょう。まだ、コロナのワクチンも開発されていないからです。ワクチンが開発されてアメリカのすべての国民に接種させるまでにこれから数年かかるでしょう。そこから経済の立ち直りを進めていく必要があるため、コロナ以前の状態に戻るまでには長い年月がかかります。

将来の予測は難しい

未来の予測が難しいのはさまざまな問題が関わるからです。たとえば、アメリカの経済の問題はアメリカ国内の動きだけを見ていたのではわかりません。特に中国の影響は強く、アメリカは中国を警戒していて、経済戦争のような状況になっています。中東やロシア、EU、日本などもアメリカの経済に大きな影響を与えているため、今後の予測は難しいでしょう。

アメリカの失業率は日本に影響するのか?

アメリカの失業率が悪化することが日本にどのような影響を及ぼすのか説明しましょう。

アメリカに進出している日本企業に影響がある

アメリカには多くの日本企業が進出しています。そこで、アメリカの経済が悪化してしまうと、当然日本企業にも影響が出るでしょう。アメリカの経済に依存しているような日本企業も存在するのです。アメリカの経済が悪化して、日本企業がアメリカの支店を閉鎖するというケースも考えられます。そうなると多くの費用がかかってしまい経営を圧迫することになるため、日本経済にも影響を与えるのです。

アメリカと輸出入している企業に影響がある

アメリカと頻繁に輸出入している企業はたくさんあります。アメリカの経済が悪化すると輸出入の量が減ってしまいます。そうなると、企業は利益を確保することが難しくなってしまいます。輸出入に深く関わっている産業としては自動車や電子機器、食料品などがあります。

アメリカの経済は世界全体に影響力がある

そもそもアメリカの経済は日本だけではなく世界全体に対して影響力を与えている存在です。そのため、アメリカの経済が悪化することが世界全体にも大きな影響を及ぼします。アメリカの景気が良いときには、世界の経済が安定する傾向にあるのです。逆にアメリカの経済が悪化すると、それが全世界に波及してしまいます。たとえば、リーマンショックはアメリカ国内で起きた出来事ですが、それが全世界に影響を与えてしまい世界金融危機に発展したのです。

アメリカの失業率が改善したほうが日本にもメリットが大きい

以上のことからアメリカの失業率が改善してくれたほうが日本には都合がいいことがわかります。アメリカの経済が悪化して日本に良い影響を与えることはあまりないのです。日本はアメリカの同盟国であり経済や軍事などで深い関係を築いています。アメリカの依存している要因は今でもたくさんあるため、アメリカの失業率が改善してくれたほうが、日本にはメリットが大きいといえるのです。

まとめ

アメリカの失業率についてまとめました。アメリカの失業率はコロナの影響によって悪化していて、現在は回復傾向にあります。これからのアメリカの失業率の動向をチェックすることで、日本や世界経済への影響を予測することができるため、今後も注目しましょう。

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