失業率とはなにか?日本の現状や問題点、改善方法などを解説!

その他
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失業率がテレビや新聞などのメディアで話題になることがあります。それでは失業率にはどのような意味があるのでしょうか。失業率の日本の現状や問題点、改善方法などについて説明します。

失業率とは

失業率とは一体何なのか基本的な定義について説明します。

失業率とは労働力人口に占める完全失業者の割合

失業率とは労働力人口のうち完全失業者の割合のことです。失業率を見ることによって、日本にどのくらいの失業者がいるのか、その割合を知ることができます。失業者の数そのものを他国と比較したとしてもあまり意味はありません。それぞれの国で人口は異なっているからです。そこで、失業率という全体の割合を求めてチェックすることが重要となります。

労働力人口とは

労働力人口とは、労働できる能力と意思のある15歳以上の人のことです。これは就業者と完全失業者の合計によって求められます。あるいは、生産年齢人口から非労働人口を差し引くことによってもわかります。非労働人口とは学生や専業主婦、老齢者、病弱者のことです。労働力人口は、働くことができて、働きたいと思っている人のことだと考えればよいでしょう。

完全失業者とは

完全失業者とは、就業者ではなく、仕事があるならばすぐに就くことができる状態で、仕事を探す活動をしているもののことです。調査を実施している期間中に上記の条件を満たしているならば、完全失業者といえます。働きたいのに働くことができない人と考えればよいでしょう。

失業率の基準について

失業率については、国によって算定基準が異なっていることがあるため、単純に比較することはできません。それでも、失業率が10%を超えている場合は、かなり危機的な状況にあるといえるでしょう。日本の場合はもともと失業率の低い国であり、5%を超えるだけでもかなり危ない状況にあると判断されることが多いです。

日本の失業率とは

日本の失業率について現状を紹介しましょう。

2020年6月時点で失業率は2.8%

2020年の6月段階では失業率が2.8%になっていました。この時点ですでにコロナが流行っていて、社会にさまざまな影響が出ていたとされています。そのため、2019年の失業率2.4%という数字と比較すると上がっています。ただし、2.8%という数字は近年の日本の中ではかなり低い数字であり、2020年6月段階ではコロナの影響はまだそれほど大きく出ていないと考えられます。

2002年から失業率の下降が始まる

日本では2002年に失業率が5.4%を記録しました。これは戦後最高の数値であり、かなり危機的な状況であると危惧されていたのです。バブルが崩壊した頃から日本の失業率は上がり続けていて、早急に対策しなければいけないという状況だったのです。

2008年の世界的金融危機により失業率が上昇する

2002年以降は失業率が年々低下していったのですが、2008年の世界的金融危機の影響によって再び失業率が上昇しました。2008年には4.0%だったのが2009年と2010年には5.1%に上昇していたのです。失業率は日本だけではなく世界の経済動向の影響を受けてしまうものなのです。

近年は失業率が低下している傾向にある

近年は失業率が年々低下しています。2013年に4.0%だった失業率が2018年と2019年には2.4%にまで低下したのです。ただし、日本の失業率はもともと1~2%と低い数値を記録してきたので、まだまだ下がる余地はあると考えられます。

失業率が悪化することの問題点とは

失業率が悪化してしまうとどういった問題がおきるのか説明しましょう。

人々の所得が低下する

失業率が下がることによって、人々の所得が低下してしまいます。働くことができなければ、その間は所得が発生しないため当然のことでしょう。働いている人の人口が減れば、その分だけ日本人の平均所得は下がってしまうのです。

格差が広がる

失業率が低下すると無職になってしまう人が増えます。一方では以前と同じように仕事を続けられる人もいるのです。そうなると仕事があり高収入の人と仕事がなくなり所得のない人との間で格差が広がってしまいます。一方ではかなりの高収入を実現している世帯がありながら、一方では日々の生活に困窮してしまう世帯が出てくるのです。格差が広がってしまうと社会にさまざまな影響を及ぼすとされているため、早急に解決しなければいけない問題といえます。

犯罪率や自殺率を高める

格差が広がると犯罪率が高まる可能性があります。世界で犯罪率の高い国というのは、どこも格差が広がっていて、貧困層の人口が多く、犯罪をせざるを得ない状況に追い込まれているといえるのです。また、格差が広がった結果、将来に絶望してしまい、精神的に病気になってしまって自殺するというケースも増えます。もともと、日本は自殺率の高かった国であり、近年は失業率の低下で自殺の数も減っていました。しかし、これから失業率が上がるようなことがあれば、再び自殺数が増えてしまうでしょう。

人々の幸福度を引き下げる

仕事がない失業者の状態になってしまうと、生きていても幸せを感じにくくなります。働きたいのに働けず、収入がないため欲しい物を買うことができません。このような状態が続くと自分のことを不幸な人間であると思ってしまうのは仕方のないことでしょう。

失業率を改善する方法とは

これから失業率を改善するためにどういった方法があるのか紹介します。

多様な働き方を認める

失業率を改善するためには今までよりも多様な働き方を認めることが大切です。たとえば、朝出勤して夜に仕事を終える以外の働き方があってもよいでしょう。自宅で仕事をするのを認めることも大切です。たとえば、家事や育児、介護などのせいで外に出て仕事をすることができない人もいます。そのような人でも働ける社会をつくることによって、失業率は自然と改善されていくでしょう。

就職支援をする

失業者に対して積極的な就職支援をすることは大切です。職業訓練を実施したり、面接や履歴書の書き方などを教えてあげたりするのです。就職できずに困っている人からの相談に対応して、的確なアドバイスやサポートをします。また、積極的に就職先を斡旋することも大切でしょう。こういったことはハローワークが実施しています。

金融政策を実施する

そもそも失業率が低下する一因として、企業の業績の悪化による人件費の削減による影響があります。日本の経済が落ち込んだままだと失業率が上がることはないのです。そこで、国が金融政策を実施して、市場にお金が循環するような状況をつくり企業の業績アップを図ることは大切です。好景気になれば、企業は多くの人材を必要とするため、積極的に求人を出すようになり、失業していた人は仕事を得ることができるようになります。失業率の改善のためには、景気をよくすることが必要不可欠といえるのです。

労働環境の改善

労働環境が悪化しているために失業率が増えるというケースがあります。たとえば、毎日サービス残業を強いられて、心身に大きな負担を抱えている人は、自分から仕事を辞めてしまうケースが出てくるでしょう。過酷な労働環境で仕事をしていて病気や怪我になってしまい倒れてしまう人もいます。過労死は日本で社会問題とされていることです。これらの問題を解決して、快適で健康的に働ける労働環境を整えることは、失業率の低下につながるでしょう。

まとめ

失業率についてまとめました。失業率は失業している人の割合のことであり、日本の失業率は近年低下していたのですが、コロナによって再び上昇することが危惧されています。失業率が悪化するとさまざまな社会問題が生じるため、今後も失業率に注目してください。

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