2018年は「副業解禁元年」と呼ばれており、これまで以上に副業に関する話題を耳にすることが増えたと思います。なぜ2018年が「副業解禁元年」と呼ばれているのかと言うと、政府の働き方改革の一環で「副業・兼業」についての方針が、禁止から推進へと大きく方向転換したためです。今回はそんな副業の現状について、キャリアカウンセラーの方にお話を伺い、ご紹介します。
昔と比べて副業解禁の企業は増えたのか
そもそも政府の方針が変わったとはいえ、実際に副業を認める会社は増えているのでしょうか。
大手企業では、エイチ・アイ・エスや新生銀行、ユニ・チャームなどが2018年の4月に副業を解禁しました。さらに、政府の方針が変わる以前からサイボウズやリクルートといった副業を認めている企業もあります。例に挙げた企業以外にも副業を解禁する企業は増えており、今後もこの流れは続くと思われます。
なぜ、副業を解禁する企業が増えてきているのでしょうか?その理由は大きくわけて、以下の3つであることが多いです。
①新しい人材を副業扱いで雇って試したい
②今いる人材に副業をしてもらうことで、社員研修などにコストを割かなくてもスキルアップしてもらうことができる
③副業を希望している人材に辞めてほしくないため許可している
特に、③の副業を希望する人材というのは、能力が高い人が多いです。優秀な人ほど会社外から仕事の誘いなどが来ることが多く、副業を禁止している企業では思うように働けないため辞めてしまう可能性が出てきます。
優秀な人材が辞めてしまうことは企業にとって大きな損失。「優秀な人材をつなぎ留めておくために副業を認めざるを得ない」というのが、副業を解禁する企業が増えてきている大きな理由となっています。
副業で売るのは「時間」ではなく「能力」
副業解禁の企業が増える中、実際に副業することで収入を増やしたり、スキルアップやキャリアアップを目指したりする方もいらっしゃると思います。
副業をする際に気をつけてもらいたいことは、「時間を切り売りするようなタイプの仕事を選んではいけない」ということです。副業では時間を売るのではなく、自分の能力を売りましょう。
昔からある袋詰めやシール貼りのような、いわゆる内職と呼ばれる仕事では、時間の切り売りになってしまいます。そういった種類の副業では収入もそれほど増えない上に、心身を休ませる時間が減ってしまい、本業のパフォーマンス低下につながりかねません。
わずかな収入のために無理をして副業をするくらいなら、休日にしっかりリフレッシュして、本業のパフォーマンスを上げたほうが生活の質が上がる場合もあります。年収が低いと「副業やダブルワークをしてでも稼がなければ」と焦りを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、「それは今やるべきことなのか」をしっかり考えておきましょう。
副業選びでは、短い時間で効率良く成果を上げられる仕事を選ぶことが大切です。