中高年のひきこもりの原因となる希望を持ちづらい社会の問題

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解決策例1:ひきこもり脱出のカギは「生きていることが楽しくない状態」からいかに脱するか

中高年のひきこもりの方は「働く・働かない」という話以前に、生きる楽しみや目的がない状態であることが多いため、生活が乱れ、生活習慣が破綻していることも少なくありません。そのためキャリアカウンセラーのアドバイスも、まずは「お風呂に入ってもらう」「夜に寝て、朝起きてもらう」という基本的な生活習慣の立て直しから始まることが多いです。

その後に、ひきこもりの方に職業訓練などを通して他人と関わっていくことで、人とのコミュニケーションの取り方や楽しみなどを思い出していってもらうことになります。

中高年のひきこもりの場合「働けるようになること」は最終目標であって、まずは「生きていても楽しくない」という状態を脱することが重要なのです。

中高年ひきこもり問題の原因となる、歳を取るほど希望を持ちづらい社会

ここまでの内容の通り、ひきこもりの問題は年齢が高くなるほど対応が難しくなっていきます。社会の側も長期的にひきこもった中高年を受け入れられるような仕組みは整っていませんし、またひきこもっている側の視点から見ても、生きる希望を持ちづらい社会と言えるからです。

そもそも現代の日本は、中高年のロールモデルとして「しっかり働いていて、結婚もしており、温かい家庭を築いている」というものしかなく、そういったモデルから外れてしまった中高年に対して不寛容なところがあります。結果として、そういった生き方ができなかった人は歳を取るほど社会から孤立しやすくなり、より希望を持ちづらいというのが現状と言えるでしょう。

高齢者になるほど、人とつながれる場所や趣味を楽しむ場所が減り、また趣味を持とうと思っても「お金を払って教室に通う」「高額な嗜好品を買う」という形しか選択肢を持てない人も少なくありません。それは、社会がそうした選択肢以外をあまり提示していないという問題も大きいでしょう。

今よりももっと多様な生き方のロールモデルがあり、「中高年になってから働くのも悪くない」というくらいに希望を持てる社会、そうした人たちに寛容な社会になれば、中高年のひきこもり問題も解決の糸口が見つけやすくなるのではないでしょうか。

さいごに

今回は「中高年のひきこもり」が抱える問題の原因についてご紹介しました。中高年のひきこもりは原因がひとつでないことが多く、さまざまな問題が絡み合って問題が複雑化していることが多いです。

また、問題が複雑化する原因として、ひきこもり本人だけの話ではなく、現在の社会状況も大きく影響しています。そのため、家族だけで対処しようとするのではなく、外部の専門家に頼ることも重要となってくるのです。

次回は「若年層のひきこもり」と「中高年のひきこもり」それぞれの対策の方法について、引き続きキャリアカウンセラーの方にお話を伺いました。更新は9月20日木曜日を予定しています。是非そちらもチェックしてみてくださいね。

 

次回記事:若年層と中高年で変わる「ひきこもり」に対するアプローチ

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