社会に出た後も、ひきこもっていたコンプレックスをカウンセリングで解消していく
現在では昔に比べてひきこもりに対する偏見は減ってきました。しかし、ひきこもりから脱し就労に成功した後で、偏見とは少し違った部分で傷つくことはあります。例えば、上司が何気なく言った「こんなこともできないのか」という言葉は、「ひきこもっていた」という意識が強い人ほど受けるダメージが大きくなりがちです。
上司は「こんなこともできないのか」という言葉を深く考えずに言っただけだったとしても、受け取る側にひきこもりに対するコンプレックスが強いと「こんなこともできないのか(ひきこもって何もやってこなかったからだ)」という「ひきこもり批判」に捉えてしまうことがあるのです。
もちろん本当に嫌味を言う方もいらっしゃいますが、本人がうがった見方をすることで傷ついてしまうことも少なくないのです。こういったケースではカウンセリングが有効です。傷ついてしまう人は「ひきこもっていた過去」に強く囚われているので、それをカウンセリングによって緩和していくことなります。
カウンセリングの手法については本人の性格などによって変わりますが、まずは焦らずに向き合っていくことが大切です。社会に出ずひきこもっていた人は自意識過剰になりやすいので、カウンセラーが客観的に説明することで上司の言葉に他意がないことがわかる場合があります。カウンセラーがあいだに入り、社会とのすり合わせを徐々におこなっていくことで、生きづらさも少しずつ解消されていくケースも少なくありません。
さいごに
今回は「若年層のひきこもり」についてご紹介しました。若い人の場合、気持ちの整理さえつけば、その後はスムーズに就労へ向かうケースが多いです。過去の自分に囚われるのではなく、「未来の自分がどうありたいか」へ気持ちをシフトしていくことが、若年層のひきこもり問題において重要と言えるでしょう。
次回は「中高年のひきこもり」について、引き続きキャリアカウンセラーの方にお話を伺っています。更新は9月19日水曜日を予定しています。そちらも是非チェックしてみてくださいね。
次回記事:中高年のひきこもりと、その背景にある希望を持ちづらい社会の問題
次々回記事:若年層と中高年で変わる「ひきこもり」に対するアプローチ
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