「高卒認定試験」を知っていますか?なんとなく言葉は知っていても、具体的な試験内容や細かな点に関しては知らない方も多いのではないでしょうか?今回は高卒認定試験について知りたい方に試験の内容と合格のメリット、受験までの流れについて分かりやすく解説していきます。
まず、高卒認定試験とはどのような試験なのか?
高卒認定試験がどのような試験なのかを解説しましょう。高卒認定試験は正式名称が「高等学校卒業程度認定試験」となっています。「高校を卒業した人と同等以上の学力があるのかどうか」ということを認定するために文部科学省が実施する試験になっています。
この試験に合格をした人は大学、短大、専門学校の受験資格が与えられ、一部の国家資格、公務員試験の受験が可能となります。そのために、高校中退で最終学歴が「中卒」の方、何らかの事情で高校進学を断念し、社会に出た人などが改めて「大学に進学したい」と思ったときに利用ができる試験です。
高卒認定試験は年に2回実施され、「試験日の年度末に満16歳以上」の方が受験できます。合格のためには、原則とし、8~10科目の筆記試験で合格点を超える必要があります。ですが、高校中退までに単位を取得していた場合には、試験科目を免除できるなど、あなたの現状にあわせて受験の内容は変わります。
高卒認定試験の受験案内の入手法
受験案内の入手法については「直接受け取る方法」「パソコンおよび携帯電話からインターネット請求」「電話請求」の3つがあります。
まずは「直接受け取る方法」についてですが、文部科学省、各都道府県教育委員会及び、各都道府県の配布場所で配布します。受験願書に付いている受験などは切り離さない。
「インターネット請求」はテレメール資料請求受付サイトから請求します。「電話請求」は
TEL:050-8601-0101です。
高卒認定試験に必要な受験料は
受験料は平成19年度第一回から変更になっています。7科目以上9科目以下の場合は受験は8,500円、4科目以上6科目以下受験6,500円、3科目以下受験4,500円
高卒認定試験に必要な書類について!願書の出し方
出願に必要な書類を準備しましょう。
まず、受験願書・履歴書・受験料・住民票1通(戸籍抄本)・写真2枚・試験科目の一部免除に必要な書類・科目合格通知書・封筒A(出願用封筒)・特別措置申請書(身体障害者等受験特別措置希望者のみ)です。「受験願書」は受験案内と一緒に配布されますので、受験案内の「受験願書などの記入方法」を参照して、必要事項を記入してください。受験願書に付いている受験票は切り離さないようにしてください。
「住民票1通(戸籍抄本)」出願前6か月以内交付のもの、(本拠地記載のもの)コピー及び認証印のないものは不可。外国籍の方は外国人登録原票記載事項証明書を提出し、科目合格者については科目合格通知書の提出可です。「写真2枚」に関しては出願前6ヶ月以内に撮影した無償・正面上半身のものです。サイズ:縦4cm×横3cm写真裏面に氏名・受験地を記入し、受験者票(控)と受験票の所定欄に貼り付け。カラーコピーや自宅で印刷した不鮮明な写真は不可です。
「科目合格通知書」は過去に大検または高卒認定試験で合格をした科目がある場合は必ず原本を添付。コピー不可です。科目合格通知書の提出がある場合は③の氏名・本籍・生年月日確認書類は不要。受験地、住所及び氏名を裏面所定の欄に記入。「封筒A」受験地、住所及び氏名を裏面所定の欄に記入します。
高卒認定試験と高卒資格の違い
高卒認定試験と高卒資格は異なります。一番のポイントとしては「最終学歴の違い」です。高卒認定試験を合格しても、高校を卒業したことにはなりません(=合格しても最終学歴は「高校卒業」(高卒))にはならず「中学卒業(中卒)」となります。
高卒認定試験はあくまでも「高校卒業程度の学力があること」を認定する試験です。厳密には「学力を証明する資格」と考えられます。一方高校卒業資格は、全日程・定時制・通信制・などの高等学校において、「3年間以上在籍する」などの卒業要件を満たした人に与えられる資格です。
そのため、高卒認定試験に合格をしても、高校を卒業していなければ、履歴書などの学歴欄に「高等学校卒業」と記載することはできません。高卒認定試験に合格しているだけでは、就職活動で募集条件が「高卒以上」となっている求人に原則的には応募ができません。
高卒認定試験に合格すると可能になること
高卒認定試験に合格をすると、「大学・短大・専門学校での受験資格が得られる」「高校で、高認の合格科目を単位認定して貰える場合がある」「一部の国家資格や公務員試験の受験が可能になる」「高卒が必要な民間企業に就職できる場合がある」この4点が可能となります。
大学・短大・専門学校の受験資格が得られる
高卒認定試験に合格をすると高校を卒業していなくても、大学、短期大学、専門学校の受験資格が与えられるのです。ですが、大学・短期大学の受験が可能となるのは18歳になる年度からです。一番若いケースですと19歳になる年度に入学をするということです。専門学校は必ずしもこの限りではないため、各学校に問い合わせをして確認をしてみましょう。
高卒認定試験合格を経て(短期)大学に受験するときには、高卒認定試験の「合格証明書」または「合格成績証明書」の提出が必要です。
高校で高卒認定の合格科目を単位認定してもらえる場合もある
通信制高校や定時制高校の一部では、高卒認定試験の合格科目を単位として認定している場合があります。
卒業までに4年間の在籍が必要な定時制高校でも、高卒認定試験に合格することで、3年間で卒業できることがあるのです。単位認定が可能かどうかは、前もって各学校の担当窓口で確認し、先述した高卒認定試験の「合格証明書」を申請の際に必要書類の発行手続きを早めに進めるようにしましょう。
一部の国家資格と公務員試験の受験が可能
高卒認定試験に合格をすると、一部の国家資格や公務員試験の受験資格が得られます。例えば、公務員試験では、国家公務員の一般職や税務職員などが選択肢に入ります。また、地方公務員の採用でも「高卒扱い」で試験を受けられる場合があります。
国家資格では、幼稚園教員や保育士の試験が受けられるようになります。大学受験同様に、試験ごとに必要な提出書類、受験可能となる年齢が設定されている場合がありますので、実際に受験を考えている方は要項をきちんと確認しましょう。
高卒資格が必要な民間企業に就職が可能
高卒認定試験合格は「高卒資格」とは異なりますが、「高卒(見込み)」が応募条件の民間企業であっても、就職が可能になる場合があります。応募条件を定めるのは原則として企業側となります。就職を視野にいれ、高卒試験に合格していることを企業に伝えることをお勧めします。
まとめ
さて、いかがでしたでしょうか?高卒認定試験について願書の出し方や試験の詳細について解説いたしました。高卒認定試験に合格をすると、自分の可能性を広げることが可能です。どうか自分の未来を掴み取ってください。