人生は非常に悩みの多く、長い道程です。社会人になってからもそれは変わりません。
そんな方のために設定される場が、「キャリアカウンセリング」の場です。しかし、キャリアカウンセリングを経験したことがない方にとって、これは未知のものだと思います。
そこでここでは、キャリアカウンセリングとはそもそもどのようなものなのか、メリットデメリットはどのようなものがあるのか、まとめていきましょう。
キャリアカウンセリングとは「キャリアに関する相談をする場所」
キャリアカウンセリングは、文字通り「キャリアに関することを相談する場所」です。
自分が今やっている仕事についてのこと、あるいは自分が身を置いている業界についてのこと、もしくはこれからの人生で仕事とどう関わっていくのかなどを、専門的な知識を持ったカウンセラーと一緒に考えていくことがキャリアカウンセリングです。
キャリアカウンセリングは特定の目的を持って行われることが多く、それによって話し合う内容が異なります。
「仕事を探す」「ライフプランを立てる」「能力開発」など、よりマッチした仕事を探せるようになる
たとえば、「仕事を探す」ことを目的とするキャリアカウンセリングの場合は、自分の内面にある「やりたいこと」を見つけるためにカウンセラーの質問に答えていくのが主な内容になるでしょう。
「将来のライフプランを立てる」ことが目的であるのなら、自分が身を置いている業界の情報を教えてもらいつつ、これからどのようにキャリアアップをしていくのかを話し合います。
キャリアカウンセリングの目的が、「能力開発」だということもあります。能力開発とは、今現在の仕事でよりよい仕事ができるようにするための話し合いの場です。自分の仕事を客観的に見つめなおし、それに伴って不足している能力を再確認するのが能力開発の目的です。
また、自分のやりたいこととやれることを再確認することにより、よりマッチした仕事をこなすことができるようになります。
このように、キャリアカウンセリングと一口に言っても、カウンセリングを受ける側の目的によって、どんなことをするのかは異なります。自分が今必要としているキャリアカウンセリングを受けるためには、まずは自分の目的と望みを考えましょう。
キャリアカウンセリングのメリット
キャリアカウンセリングを行うためには、時間がかかります。また、基本的に他人と長時間話し込む必要があるため、ストレスを感じる方も多いようです。
それでもわざわざキャリアカウンセリングをするのは、これに大きなメリットがあるからに違いありません。ここでは、そんなキャリアカウンセリングのメリットを紹介します。
①「自分が何をやりたいか」がわかる
キャリアカウンセリングにおいて、カウンセラーは決して手取り足取り導いてくれる存在ではありません。カウンセリングを受ける人が必要な情報を渡し、一緒にこれからのことを考えてくれるパートナーです。なぜなら、キャリアカウンセリングで探したい答えは、自分の中から見つけ出すしかないからです。
キャリアカウンセリングのメリットのひとつに、このように不明確な「やりたいこと」を明文化し、当面の目標として掲げられることがあります。「やりたいこと」は、転職・就職の目標として掲げることはもちろん、これからの仕事で努力すべき方向を定める上でも重要です。
「やりたいこと」を見定めていないと、目の前の仕事を片付けるだけの生活になってしまい、仕事にやりがいを見出せなくなってしまいます。
やりたいことを見定めていれば、その方向に近づくように仕事上での工夫ができますし、やりたいことができないのなら転職をするという選択肢も取れるようになります。このように、長い仕事人生の中で、やりたいことを見定めるのは重要です。
また、やりたいことを明文化することで、日々の仕事に関するモチベーションを高める効果もあります。
たとえば、やりたいことが「出世」であるのなら、毎日の雑務も出世のためにやるべきことだと受け入れられるでしょうし、職場で意見の合わない人と仕事をするときも、出世のためだと考えて割り切ることができます。
キャリアカウンセリングは、こうした「やりたいこと」を見つけるのに最適な手段のひとつなのです。
②自分の優れているところがわかる
キャリアカウンセリングでは、カウンセラーとの会話を通して、「自分の良いところを見つける」ことができます。自己肯定感の弱い方であっても、他者からの言葉は受け入れやすいからです。
多くの人が、自己否定に苛まれています。「自分はなんてダメな人間なんだ」と自分を責め、失敗するために自分の心を傷つける人が多くいます。特に日本人はこの傾向が強く、政府によるアンケートですと、半分以上の方が自己を肯定的に捉えられずにいるようです。
自分を否定的に捉えてしまう原因のひとつに、自分の良いところがわからないという点があります。自信を持てることがひとつでもあれば、自分を肯定的に捉えることは難しくないのです。
自分の優れたところがわかるということは、仕事に関することだけではなく、普段の生活においても役に立ちます。キャリアカウンセリングを通じて自分の優れている点を見つけることで、普段の生活も豊かにすることができるのです。
キャリアカウンセリングを受ける方法と費用
キャリアカウンセリングを受ける方法は、大きくわけて無料のものと有料のものがあります。
「ハローワーク」や「ジョブカフェ」
無料のもののほとんどは、公的機関によるサービスを利用したサービスです。たとえば、「ハローワーク」や「ジョブカフェ」で行われているものが該当します。
無料だからといってい質が悪いものではなく、ほとんどのものはある程度専門的な知識を持った人がカウンセリングをしてくれます。しかし、無料カウンセリングの多くは中立の立場からカウンセリングができない可能性もあるという点には留意しておきましょう。
転職コンサルタント(転職エージェント)
他にも、企業が設置しているキャリアカウンセリングのものや、転職コンサルタント(転職エージェント)によるキャリアカウンセリングなども無料のカウンセリングの典型例です。
転職する際には、転職エージェントの活用がおすすめです。転職エージェントは、求職者の希望条件やキャリアプランを詳細にヒアリングし、それに合った求人を紹介してくれます。
企業側とも密接な関係を持っており、求職者にとって適した職場環境や条件を把握しやすくなっていますよ。
さらに、転職エージェントでは、面接のアドバイスや履歴書の添削など、転職活動全般にわたるサポートを提供してくれます。転職エージェントを活用すれば、効率的に転職活動を進め、理想のキャリアを築くことができるでしょう。
有料のキャリアカウンセリング
有料のキャリアカウンセリングは専門的な知識を持ったカウンセラーが、責任を持って中立の立場から助言をしてくれます。カウンセリング自体で金銭が発生しているので、特定の企業や業界との利害関係が薄い点も魅力的です。
例をあげると、転職エージェントのキャリアカウンセリングはどうしても取引先の企業への評判を優先したものになりがちです。
ハローワークやジョブカフェのものは比較的中立に近いカウンセリングを受けられますが、ハローワーク等の職員は専門的な知識を持っていない可能性もあるので、正しい意見が得られるとは限りません。
有料カウンセリングの価格は高くとも1万円程度です。もちろんこれは平均値なので、さらに安いキャリアカウンセリングもあれば、逆に高いものもあります。
有料と無料のもの、両方にメリットデメリットがあるので、自分が置かれている状況により役立ちそうな方を選ぶといいでしょう。
有料のキャリアカウンセリングを受けるのが不安だという場合は、最初に無料のものを受けてみて、物足りない場合は有料のカウンセリングを受ける形にするといいでしょう。
まとめ
キャリアカウンセリングを受けることは、自分の人生をより豊かにするために重要な選択肢です。自分の中にどこか足りないものを感じていたり、仕事において何をすべきかわからないことがある場合は、キャリアカウンセリングを受けてみるといいでしょう。
また、特に不満を感じていなくとも、キャリアカウンセリングは自分の人生に新しい視点をもたらしてくれます。そのため、特に現状に問題を感じていない場合も、1度は受けてみるといいかもしれません。