ポイント
●働き改革により、国民のワークライフバランスが充実する。
●従業員は5日以上有給休暇が取れるようになる。企業がそれを怠れば、罰則を課せられる。
●同一労働同一賃金により、正社員かどうかは重要ではなくなっていき、その仕事内容によって賃金が決められる。
●月の時間外労働は45時間が原則となるため、仕事終わりの余暇が増える。
●残業代を見込んで生計を立てている人は、働き方改革によって残業代が大幅に減るため、生活に困る人も出現。
●働き方改革により、今以上に個が重要になってくるため、仕事が遅い人・できない人・やりたくない人には生きにくい世の中になる。ただそれでも自分に合った仕事は必ずあるので、まずはキャリア相談をしてみよう。
働き方改革とは? その内容を解説
働き方改革とは、2019年4月から開始された(中小企業2020年4月)社員の長時間労働の解消。非正規雇用との格差をなくし、様々な働き方によってワークライフバランスを充実するための取り組みです。
なぜそのような行いをするのかというと、現状、少子化により若い人の働き手は減少しています。そのため、働き方改革をすることにより、生産性の向上を図ろうというのが目的です。
また、育児や介護を行なっている人・65歳以上でも働きたいと考えている人にとって、一般的な企業で働くのは難しい面があります。
理由は時間的な制限や体力的な問題があるからです。そんな様々な働き方のニーズに応えるため、働き方改革を行うのです。
具体的に上記の子育て世代の人であれば、在宅ワークができる仕事や、フレックスタイムと呼ばれる自由に勤務時間を設定できる仕事環境が望ましいでしょう。
現にフレックスタイムを導入している企業はありますが、現状まだまだ少ないので、働き方改革によってそれを促進させるのが目的です。
有給が取りやすなるなどのメリット3選
1.有給が取りやすくなる
従業員は年間最低でも5日以上有給休暇を習得することができます。もしそれ以下であれば、会社は罰則を課せられます。
働き方改革以前であれば、有給を申請しても思うように取れなかったりもしましたが、これからは最低5日有給休暇を与えられるので、自分のライフワークに合わせて休むことができます。
ただ、企業も繁盛期に休まれては困るので、有給休暇の推奨日を設定していることがあります。具体的には、Aさんは「6月の〇日と○日は有給休暇を習得する」などです。こうなっては自由には休むことができないので、注意が必要です。
2.同一労働同一賃金
こちらは2020年4月から(中小企業は2021年4月)施行されるものです。
働き方改革以前の企業は、正社員以外は給料が安いということが起きていました。ただ働き方改革の「同一労働同一賃金」が実施されると、非正規社員でも働き方によっては正社員と変わらない給料を得ることができます。
理由は雇用契約で賃金が決まるのではなく、その仕事内容や貢献度によって賃金が決まるからです。だからこそ働く人にとっては、今まで以上に仕事のやりがいを感じることができるようになるのです。
3.時間外労働の上限は月45時間
これは働き方改革での大きなポイントになります。働き方改革以前の企業では、残業をするのがほぼ当たり前になっていました。ただ働き方改革後は、「時間外労働の上限は月45時間で、年360時間」が原則となります。
これは2019年4月1日から大企業では実施されています。中小企業は、2020年4月1日からです。これにより、仕事終わりの余暇が増えるため、趣味をしたり家族・友人との時間を過ごしたり、キャリアアップのための時間を割けるようになるのです。
その結果がワークライフバランスの充実で、より良い生活を送れるようになるのです。