正社員になりたいと考える人は、数多くいます。一方で、正社員からフリーターになりたいという人も一定数いることは事実です。一般的に考えると、収入や待遇面が安定している正社員のほうが幸せだと考えるでしょう。
正社員からフリーターになろうと考えるのはどのような理由からなのでしょうか。フリーターとして働くことは幸せなことなのでしょうか。フリーターとして働くというのは、「責任を負う必要なく、自由に働ける」とイメージする人も多いのではないでしょうか。
本記事では、フリーターとして働く場合のメリットやデメリット、正社員からフリーターになった時に行うべきことを紹介しています。
正社員とフリーターの年収や生活の違いについても触れています。ぜひ参考にしてみてくださいね。
なぜ正社員からフリーターになりたいと考える人が多いの?理由は?
正社員からフリーターになりたいと考える人の理由は、以下の通りです。
- 仕事にやりがいを見いだせず、自分の才能や興味を追求したいという欲求
- 職場環境になじめず、上司や同僚との人間関係に悩んでいる
- 労働環境がハードで疲れ切ってしまった
これらの要因が組み合わさり、自分のペースで働くためにフリーターとしてのキャリアを選ぶことが増えています。フリーターになりたかったわけではなく、「今の職場から解放されたい」と気持ちが本音なのです。
また多様なライフスタイルや働き方を追求する動きが広がっています。夢や目標が出来たため、フリーターをしながら夢を目指したいと考える人もいることでしょう。俳優や音楽系、漫画家等、クリエイティブ系や芸能系を目指す人が多い傾向にあります。
フリーターの場合、シフトも自由に選択することができ、夢と両立しやすい環境をつくることができます。そのため、フリーターという働き方を自ら選択し、夢を目指す人が多いのです。
正社員からフリーターってぶっちゃけどう?2つのメリットを紹介
正社員からフリーターになった時、メリットがあることも事実です。主に以下の2つです。
- 働き方を選べて、自由な時間が増える
- 責任やストレスから解放されて、気持ちが楽になる
それぞれ紹介していきます。
①働き方を選べて、自由な時間が増える
正社員からフリーターになるメリットの1つは、働き方を選べて、自由な時間が増えることです。
正社員として働いている場合、自由な生き方をすることはできません。会社によっては、残業があったり、休日も固定ではないところもありますよね。毎日8時間以上働き、会社に拘束されているような日常に、窮屈さを感じる人もいます。
フリーターとしての働き方を選べば、仕事とプライベートのバランスを自分で調整が可能になります。これにより、自分のライフスタイルに合わせて効率的に働き、自由な時間が増加します。
例えば仕事内容にもよりますが、仕事の合間に趣味や家族との時間を充実させたり、長期休暇を取りやすくなることも。正社員の場合、希望の休日を取れない場合もあるため、プライベートの予定が立てずらいという人もいることでしょう。フリーターならば、プライベートの予定を立てたり、夢と両立することもできるため、適している働き方として選択する人が多いのです。
柔軟性が増せば、仕事と生活の充実度が向上し、新たな可能性に満ちた日々が広がりますよ。
②責任やストレスから解放されて、気持ちが楽になる
正社員からフリーターになると、責任やストレスから解放されて、気持ちが楽になるというメリットもあります。
正社員としての仕事では、多くの場合、固定の責任やストレスが付き物となりがちです。しかし、フリーターとしての生活では、一定の責任を抱え続ける必要がありません。正社員の時よりも業務で生じる責任が軽く、仕事でのストレスも減る傾向にあります。正社員の時、仕事へのプレッシャーやストレスを重く感じていた人にとっては精神的ストレスも減るため、メリットと言えるのではないでしょうか。
毎日の仕事が楽だと、仕事に対して苦痛を感じることは少なく、憂鬱な気持ちを抱くことはないですよね。精神的なプラスの変化を感じることは、働き方を選択する上でとても重要なことです。必ずしも正社員として働くことが幸せだとは言い切れないでしょう。
同時に、組織内の複雑な人間関係や企業文化に縛られないのもフリーターの特徴。自らのペースで仕事を進められるのでストレスも軽減されます。
フリーター生活に転向する場合の決定的な5つのデメリット
フリーター生活に転向する場合の決定的なデメリットは、主に以下の5つです。
- 収入が下がるうえに不安定で、生活への負担が大きい
- 会社の福利厚生がないため、保険がないと急な病気や事故に対応できない場合も
- 税金面での負担増!社会保険と年金を全額自分で払うことも
- キャリアの観点で、フリーターから正社員になる際に不利
- 社会的信用が低く、疎外感や孤独を感じる人も
1つずつ解説していきます。
①収入が下がるうえに不安定で、生活への負担が大きい
フリーターとして働く場合、収入が下がるうえに不安定で、生活への負担が大きいことがあります。
一般的に会社員に比べるとフリーターは、給与が低い場合が多いです。
国税庁が発表している「民間給与実態統計調査(令和3年分)」によると、フリーターの年収は約198万円という結果が出ています。
一方で、会社員の平均年収は約461万円と、フリーターの年収に比べると大きく差があることがわかります。
給与の低下や不安定な生計は、生活への負担を大きくし、将来の不安につながりかねません。
フリーターとしての生活には経済的な不確実性がともなうため、慎重な計画と備えが必要です。
参考:国税庁「令和3年分 民間給与実態統計調査」
参考:国税庁「1年を通じて勤務した給与所得者」
②会社の福利厚生がないため、保険がないと急な病気や事故に対応できない場合も
フリーターとして働く際、通常の正社員とは異なり、雇用主から提供される福利厚生や健康保険がない場合もあります。
このため、急な病気や事故に対処するための安全ネットが不足してしまいます。
正社員の場合、社会保険は給与から天引きでした。フリーターの場合、社会保険に加入できる場合もありますが、場合によっては自分で負担する可能性もあります。健康保険や労災保険を自己負担する必要があり、その負担は予期せぬ医療費や治療費に大きな影響を与える可能性も。
フリーターとして働く場合は、自己管理が求められるだけでなく、健康へのリスクにも注意が必要となります。
③税金面での負担増!社会保険と年金を全額自分で払うことも
正社員は雇用主との共同負担があるため、保険料や年金の負担が分散されます。しかし、フリーターはこれらの負担を全額自分で負担する必要があります。
フリーターになる場合、社会保険や年金などの社会的な保障制度への加入が必要です。保険料や年金は月々の手取り収入から支払う必要があり、金銭面での負担が増加します。
また、将来の年金受給額も正社員と比較して低くなる可能性があります。
フリーターとしての生活では、税金や社会保険についての知識を身につけ、慎重な計画が不可欠です。
④キャリアの観点で、フリーターから正社員になる際に不利
フリーターでいると、キャリアの観点からフリーターから正社員に転職する際に不利になる場合があります。
一部の企業は、安定性や長期的なコミットメントを示します。そのため、正社員経験者を優先的に採用する傾向があります。
フリーターとして働いている期間中に特定の企業での経験がないため、業界や企業によっては正社員としての採用に際してマイナスの評価となる場合も。
この不利な側面を克服するためには、自分のスキルや実績、強みなどを積極的にアピールする必要があります。
また、職務経歴書の工夫などを通じて、企業が求めるポジティブなイメージを構築するのが重要です。
⑤社会的信用が低く、疎外感や孤独を感じる人も
フリーターとして働くと、社会的信用が低いため疎外感や孤独を感じる場合もあります。一部の人々には、会社員とフリーターを比較して、アルバイト・パートの労働者に対して社会的な評価が低いと感じる人も。
例えば、住宅ローンやクレジットカードの作成、アパートの契約等の社会的行動に制限がかかってしまう可能性もあります。正社員の場合、収入が安定しているため、社会的信用も高くなります。
また、フリーターは短期的な仕事や職場で働くことも多いため、定期的な交流や人間関係の構築が難しくなってしまいます。そのため、孤独感や疎外感を抱えてしまうことも。
このデメリットを軽減するためには、仕事に対する自信を持ち、他者と比較することをなくしてみてください。
自らの価値を確立すれば、社会的な信用を向上させる一助けとなります。
自由で楽ばかりではない!フリーターになったらやるべき3つのこと
フリーターになったらやるべきことは、主に以下の3つです。
- 正社員を退職したら保険や年金の手続きが必要
- 収入に応じた確定申告が必要
- フリーター転向で収入が下がる場合は、1年目の住民税負担に注意
詳しくみていきましょう。
①正社員を退職したら保険や年金の手続きが必要
正社員からフリーターに転向する場合、雇用形態が変わることにより、健康保険や年金の手続きが必要です。
健康保険の場合、以下の選択肢があります。
- ①国民健康保険
- ②任意継続制度
- ③家族の扶養に入る
年金の場合は、転職先が決まっていない場合14日以内に国民年金への切り替え、もしくは家族の扶養に入る手続きが必要となります。
いずれも、速やかに行う必要があります。忘れてしまわないよう注意しましょう。
②収入に応じた確定申告が必要
フリーターとして働く場合、収入に応じて確定申告が必要です。
給与所得者と異なり、フリーランスやアルバイト・パートの場合は源泉徴収が行われない場合があります。そのため、自らが収入に対する税金の計算と申告を行う必要があります。
確定申告を怠ると、税務署からの督促や罰則が発生しかねません。期限内に確定申告を行うようにしましょう。
確定申告の方法がわからない場合は、専門家のアドバイスを受けながら、適切に確定申告を行ってくださいね。
③フリーター転向で収入が下がる場合は、1年目の住民税負担に注意
フリーターになって初めての1年目は、収入の変動や予測が難しいため、住民税の負担に注意が必要です。
住民税は前年の所得に基づいて計算されるのが一般的です。フリーター1年目は、前年よりも所得が低い傾向があります。
そのため、1年目の住民税負担を正確に見積もるようにしましょう。必要に応じて適切な節約策や控除の利用も視野に入れてみてください。
また、最適な税金対策の検討が、支出の安定と将来への備えにつながります。
20代であれば自由な時間もあり!ただ、将来に不安はあり
20代は自由な時間や新しい経験を積む絶好の機会です。仕事やプライベートで様々なことに挑戦でき、自分の興味や可能性を追求する良い時期でもあります。
しかし、経済状況やキャリアの選択に対するプレッシャー、社会的な期待などが、20代の心に影を落とす場合も。
この時期は、自由な時間を有効に活用するのが大切です。将来の展望や目標を明確にし、計画的な行動を始めてみてください。キャリアの方向性やスキルの磨き方、資産形成や将来のライフプランなどについて真剣に考えてみましょう。
具体的なステップが、将来への不安を軽減し、より充実した生活を築きやすくなりますよ。
フリーター生活が長引くと、再就職が難しくなる
正社員からフリーターになると、最初は、少しの間だけと考えていたつもりでも、フリーター期間が長くなってしまう人も少なくありません。フリーターの場合、責任の大きい仕事を任されることもほとんどありません。
そのため再就職を先延ばしにしてしまい、フリーター生活から抜け出せずに長く続けてしまう人も多いのです。しかし、フリーター生活を長く続けてしまうと、ブランク期間が大きくなってしまい、再就職に影響を与える可能性はあります。再就職を決意した時に、苦戦する可能性もあるのです。
少なくなった収入でも生活できるのであれば問題ないですが、生活できない状況ならば、仕事を増やし、収入を得ることになるため、結果的に労働時間が正社員の時よりも増えてしまったという人も少なくありません。
そして結婚や出産を控えた際に、フリーターから再就職をしようとしてもフリーター生活が長いとキャリア面での強みに欠け、再就職が難しくなります。30代になるとなおさらでしょう。
人生を長い目で見た際に、フリーターになっても生活できる収入を得られるのかをしっかりと考え、行動にうつすようにしましょう。
フリーターになるのが不安なら、まず転職も検討しよう
フリーターが不安なら、まずは他の雇用形態への転職を検討してみてください。転職を通じて新たな職場や業界に挑戦すれば、安定した給与や社会保障、職場の雰囲気などが期待できます。
転職エージェントや求人情報サイトを活用し、複数の選択肢を比較検討することで、より良い選択ができるでしょう。不安を感じた場合は、転職活動を通じて自分の将来の方向性を模索することも一つの方法と言えます。
転職エージェントサービスでは、キャリア相談も行っているので、不安もエージェントに相談できますよ。ぜひ活用してみてください。
面接・履歴書で正社員からフリーターになった理由を聞かれたら?
面接や履歴書で正社員からフリーターになった理由を尋ねられた場合、オープンで誠実な回答が重要です。
- 正社員からフリーターになった理由(原因)
- フリーターになったことで得られた経験
- どうしてフリーターからまた正社員になろうと思っているのか
- 正社員になった場合、どのようなことをしたいか
採用担当者は、以前正社員からフリーターになった人の採用を厳しく評価する場合があります。なぜなら、採用後に再度会社を辞めてしまうリスクがあると考えているからです。
そのためにも、話を大きくしたり嘘をついたりせず、素直で誠実な回答をする必要がありますよ。
まとめ
正社員からフリーターになるメリットは以下のものがあります。
- 働き方を選べて、自由な時間が増える
- 責任やストレスから解放されて、気持ちが楽になる
また、デメリットは以下の通りです。
- 収入が下がるうえに不安定で、生活への負担が大きい
- 会社の福利厚生がないため、保険がないと急な病気や事故に対応できない場合も
- 税金面での負担増!社会保険と年金を全額自分で払うことも
- キャリアの観点で、フリーターから正社員になる際に不利
- 社会的信用が低く、疎外感や孤独を感じる人も
再度、正社員に転職する場合は、転職エージェントサービスの利用を検討してみてください。転職のプロが対応してくれ、キャリア相談も行ってくれるので、転職での不安を払拭できますよ。
ぜひお気軽に活用してみてくださいね。