日本には、失業状態の人を普及するための給付金がたくさん存在しています。その中のひとつが、「職業訓練給付金」です。この給付金は雇用保険に入っていなかった人が対象になるため、多くの人がこの給付金を利用可能です。
ここでは、その実態と条件、申請する方法について詳しく紹介していきましょう。
職業訓練給付金とは。職業訓練をすると毎月10万円が貰える制度
そもそも職業訓練給付金とはなんでしょうか。簡単に述べると、「職業訓練をしている方に向けた給付金」です。職業訓練中の方は自分で生活を維持する必要がありますが、そうしてアルバイト等を行ってしまうと、職業訓練に集中できず、せっかくの訓練の成果が出にくくなってしまいます。
そのため、職業訓練を行っている人に向け職業訓練期間中の生活を保証すべく配られているのが、「職業訓練給付金」です。この趣旨から、職業訓練給付金を受け取ることができるのは雇用保険を受けていない方に限定されます。加えて、職業訓練給付金がなければ就職が難しいと判断された場合に限って給付されるので、給付金が必要のないレベルで生活を維持している方に給付はされません。
そのため、必要のない方に給付金が配られないように、雇用保険よりも厳しい条件が定められているのが特徴です。ただしその分サポートは手厚く、一旦審査を通過すれば、職業訓練が終了するまでの間、しっかりと給付されます。
給付金額は、基本的に月額10万円です。これを基礎手当として、職業訓練を実施するための交通費、必要と認められた場合はアパート代の補助などを受けることができます。毎月10万円の給付があれば、アルバイト等をしなくとも職業訓練に集中することができ、就職への最短ルートを通ることができるでしょう。
職業訓練給付金の条件
職業訓練給付金には、先述したように多くの条件が設けられています。職業訓練給付金の条件は、大きくわけると4つです。
ひとつめの条件は、「ハローワークに求職していることを申告していること」です。職業訓練給付金は就職のために給付するものなので、それがハローワーク側の耳に入っていなければ、給付することはできません。職業訓練を受けるためには、ハローワークに求職の申し込みを行い、実際に求職活動を行っていなければなりません。
ふたつめの条件は、「雇用保険の受給資格がないこと」です。先述したように職業訓練給付金は雇用保険が貰えない方に向けた給付金なので、雇用保険の受給資格のある方には給付できません。雇用保険に入る条件は、「週20時間以上の労働をしており、収入を得ていること」「30日以上継続して契約をしていること」です。それに加えて、「雇用保険者である期間が離職前2年間に12ヵ月以上あること」が雇用保険を受け取れる条件になっています。
つまり、「現在定職に就いておらず、過去にも働いていないか、最後に働いてから1年間以上が経過している方」が、職業訓練給付金を受けるための条件です。チェックしましょう。
3つめの条件が、「働こうとする意志と働ける能力がある方」です。職業訓練給付金は、あくまでも働こうとする人のための給付金なので、体や精神の事情で働くことが難しい方や、そもそも働くつもりのない方には給付されません。そのため、職業訓練給付金を受給したい方は、働こうとする意志をハローワークに見せなければなりません。
4つめの条件は、「職業訓練をする必要があることをハローワークが認めた場合」です。上の3つの条件を満たしていても、ハローワークが職業訓練の必要性を認めなければ、受給することができません。どのような事情を抱えた人であっても、ハローワークの認可を受ける必要があります。
ハローワークの認可を受けるためには、主に収入面で作られた条件を満たさなければなりません。条件は、大きくわけて8つです。簡単にまとめます。
「本人の収入が月80,000円を超えていない」「世帯全体の収入が月25万円を超えていない」「世帯全体の金融資産が3,000,000円を下回っている」「現在住んでいる場所以外に土地や建物を持っていない」「訓練実施日に原則全てを出席している」「同じ世帯の中に同じ給付金を受給していない」「過去3年間、特定の給付金を受けていない」。以上が、受給を受けるための条件です。給付を受けるためには、以上の条件を全て満たす必要があります。
職業訓練給付金を申請する方法
職業訓練給付金を申請するための方法は簡単です。必要な書類を持っていき、ハローワークの職員に「職業訓練を受けたい」という旨を伝えましょう。何度か職業相談の場を設けた後、申し込み用件に問題がなければ、申し込みができるようになります。このとき用意すべき書類は、最初の相談の際にハローワークの職員の方が伝えてくれるので、必ず用意しておきましょう。
全ての書類が問題なければ、職業訓練を受けるための選考試験を受けることになります。訓練を受けるための試験というのは少し奇妙な感じがするかもしれませんが、「国がお金を使って育成するのに値する人材か」を、試験を通して選ぶので必要です。
その後、選考結果が通知されます。ここで合格していれば、支援の方法や振り込みの手順、職業訓練をするための場所や具体的な手順などを説明してもらい、早速職業訓練をはじめることになります。
職業訓練を真面目に受講し、しっかりと努力していれば、毎月10万円の職業訓練給付金を獲得することが可能です。
職業訓練給付金を受ける際の注意点
職業訓練給付金を受ける際には、いくつか注意すべき点が存在します。まず、職業訓練給付金は、「あくまでも職業訓練を行いつつ、通常の生活を送るための給付金」であることを忘れないようにしましょう。職業訓練給付金を受け取っている時点で、いわばその方の仕事は職業訓練を真面目にやることを義務付けられるといっても過言ではありません。
よって、職業訓練を基本的に最優先で出席し、他の用事は後回しにするようにしましょう。もし職業訓練を欠席してしまうと、給付金が減額されたり、最悪の場合は支給停止になってしまう可能性もあります。もちろん、家族の忌引きや突然の発熱、交通事故など、やむを得ない事情がある場合はその限りではありません。しかし、それを含めた上でも8割以上は出席しているのが理想です。
それに伴って、基本的にアルバイトをすることは推奨されません。アルバイトをするのなら職業訓練に身を入れ、1日でもはやく就職すべきだからです。しかし、生活費を稼ぐためや家族を養うため、やむをえない状態でアルバイトをしなければならないことがあるはずです。その場合は、ハローワークに相談した上でアルバイトをすることができます。
なお、アルバイトを無断に行うことも含めて、不正受給と判定してしまうと、受給金額の3倍のお金を支払わなければならない可能性があります。アルバイトをするときは必ず申告をし、不正受給にならないように気を付けましょう。
まとめ
職業訓練給付金は、職業訓練を行う人に向けた給付金です。職業訓練を行う人がハローワークに申告することで、月額10万円を基本として毎月受け取ることができます。
ただし、職業訓練給付金を受け取るためには様々な条件をクリアしなければなりません。あらかじめ条件を確認し、条件を満たした上で審査を受けましょう。