みんなの意識が変わることがカギ。働くママのために知ってほしいこと

ワーキングマザー
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前回の記事ではワーキングマザー(ワーキングママ)の悩みや、日々感じているストレスなどについてご紹介しました。今回はそんなワーキングマザーの抱えている問題の解決策について、前回に引き続き株式会社Compassのキャリアカウンセラーの方にお話を伺いました。

“その人の場合の”ベストな選択肢をみんなで考える

ワーキングマザーの問題は、ママの周囲にいる人たちの偏見などによって起きているケースが多いです。しかし、ワーキングマザーの問題を解決するポイントは「ワーキングマザーの場合は」という形ではなく、「“その人の場合は”どうしてあげたらいいのか」を周囲が考える必要があります。

同じワーキングマザーでも、本人が望む生き方、働き方は一人ひとり違います。たとえばワーキングマザーの両親から見た場合、娘が働きながら子育てをしている時に「何をしてあげれば娘にとっての幸せなのか」を考えてあげてください。親から「こうすればきっと幸せだろう」と押し付けるのではなく、「本人が望む幸せ」を考えることが大切です。

会社の場合も同じで、「◯◯さんはどうすれば働きやすいだろう」と考えてみてください。子育てしながらでもバリバリ働きたいママと、子どもと一緒にいられることを優先したいママでは、働き方も会社に望むことも変わってきます。そうやって、それぞれ個人として、どうすれば最適なのかを考えていくことが重要です。

逆に言えば「ワーキングマザーだからこう接すればいい」と一括りにして相手を見てしまうと、個人が見えなくなって、対応を間違えてしまうことにも繋がるため注意しましょう。

困った時はお互い様。仕事を交換できる働きやすい職場をつくる

とは言え、みんながみんな相手のことを尊重し、コミュニケーションを上手くとれるかというと、それはそれで難しいところ。親にしても上司にしても、娘や部下とのコミュニケーションが苦手なタイプの人にとっては、接し方のマニュアルがないと困ってしまうこともあるでしょう。

そういう場合はわかりやすいルールを作ってみてもいいかもしれません。

たとえば、働きやすい環境作りの一環として、仕事の交換制度を導入している企業もあります。急用などで仕事を誰かに替わってもらいたい時に、カードを交換することで、後日そのカードを使って埋め合わせをすることができるという制度です。

この制度の良いところは、ワーキングマザーに限らず、それぞれの立場の人達が、自分の事情に合わせて仕事が交換できるという部分です。

「体調が悪いので休みたい」「友達と旅行にいくための休日がほしい」「恋人とデートがあるから早退したい」というような人も公平に仕事の交換ができるため、逆にママのほうも気兼ねなく仕事を替わってもらうことができる仕組みになっています。

負担を減らす制度のはずが…気をつけたい失敗例

社員が働きやすい環境作りをしている企業はたくさんありますが、中には個人の負担を減らすために作られた制度が、かえって個人の負担を増やしてしまうパターンも存在します。

例えば「何人かでチームを組み、連帯責任で仕事をしましょう」というようなケースで起きた失敗例を見てみましょう。一見お互いがフォローし合える良い制度に思えますが、全員で作業しなければいけないような切羽詰まった状態になると、子どものお迎えなどで早く帰らざるをえないママに対し、周りが不公平を感じやすくなります。

成功例と失敗例の違いとしては、「責任を負担し合う(⇒みんなが同じ分だけ負担しないと不公平)」という意識で取り組むのではなく、「みんなが困った時に助け合えるように、それぞれの事情を尊重できるように」という意識で取り組めるかどうかではないでしょうか。失敗例も参考にし、単にルール化するだけでなくどういう意識をもって運用するかも考えておきましょう。

人間は間違って当たり前。ママ自身が「間違ってもいいと思える場所」を作ることが大切

ここまでは働くママの周囲にいる人たちの対応の仕方をご紹介してきました。一方で、ママ本人にも気をつけられること、できることがあれば知っておきたいですよね。ここからはママ自身が覚えておくとラクになれることについてもご紹介していきます。

これは頑張り屋さんのママに多い例ですが、子育て中のママは自分の人生と子どもの人生を一心同体、同じものとして捉えている場合があります。

もちろん子どもを守ること、愛情を持って接することは大事ですが、ママがすべての責任を背負うことは現実的にはできません。「正しい母親はこうでなければいけない」というものはないので、もっと柔軟に考えても大丈夫ですし、ひとりで背負うこともありません。

ですので、苦しい時に家族に助けを求めるのも大切なことです。仕事や子育てに限らず、自分が辛くなってしまった時に、吐き出せる場所を作っておくこと。人間は誰でも間違うことのある生き物なので、間違ってしまっても許される場所を作ることが大切です。そのために普段からママ自身が周りの人とコミュニケーションをしっかりととることや、甘えられる存在をつくることを心がけておくといいでしょう。

孤立しているママはひとりで悩まず、勇気を出して専門家に相談しよう

気をつけておくことのふたつ目は、相談できる先の選択肢を増やすことです。頼ることのできる家族や、相談できる友人がいる場合はいいのですが、さまざまな事情でそうした存在がいないママもいますよね。この場合、ママは一体誰に助けを求めればいいのでしょうか。

孤立したママが助けを求める先として、例えば、行政の窓口や街のNPO、キャリアカウンセリングを使っていくのはひとつのやり方です。キャリアカウンセラーの方によれば、子育てのこと、仕事のことで困っている場合や、あるいは日々の生活が苦しい、家賃が払えないという場合でも、どんどん相談してほしいとのことです。

孤立しているママは、悩みを抱えている場合や生活に困っている場合でも、最初から諦めてしまって、行政の窓口や専門家のところへいかないことが多いのが現状です。しかし実は、専門家が見れば解決できるケースも少なくないため、ひとりで考えて諦めてしまう前に、電話などでもいいのでまずは聞いてみることが大切です。

「どうせいっても駄目だ」ではなく、一度専門家の話を聞いてみる。初めて利用する際は、心理的ハードルが高いとかもしれませんが、一度経験してしまえば、次からはそれほど抵抗なく利用できる方が多いようです。

すぐに解決までいかない場合でも、第三者の視点が入ることで状況を整理できたり、具体的な対処法が見つかったりするので、自分だけの判断で諦めてしまうのではなく、勇気を出して専門家に相談してみましょう。

まとめ

今回はワーキングマザー問題の解決策についてご紹介しました。ワーキングマザーの問題はデリケートな部分も多く、悩んでいる人も非常に多くなっています。

そんな時、ママ本人も周囲にいる人も、困ったらひとりで悩むのでなく、誰かに相談するようにしましょう。相談相手がいない場合は専門家に頼ることを検討してみてください。ひとりではどうしようもなかったことの解決の糸口がみつかるかもしれません。

次回の掲載は6月27日水曜日になります。「こんな場合はどの窓口へいけばいいの?」といった質問や、便利なサービスについてご紹介しますので、次回も是非チェックしてみてくださいね。

前回記事:親も同僚もわかってくれない!ワーキングマザーの悩みとストレス

次回記事:ワーキングマザーの悩みを解決。ママの助けになる窓口やサービス

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