親も同僚もわかってくれない!ワーキングマザーの悩みとストレス

ワーキングマザー
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夫婦共働きが珍しくない時代になりました。ワーキングマザー(ワーキングママ)として、子育てをしながら仕事もこなすママ達が増えています。昔に比べれば、ワーキングマザーというライフスタイルへの世間の理解も広がっているものの、まだまだ周囲の偏見に悩んでいるママも少なくありません。

そんなワーキングマザー達が少しでも生きやすい世の中にするために、ワーキングマザー達がどういうことにストレスを感じ、どういうことに悩んでいるのか、そしてそれをどう解決していけばいいのかについて、数回に分けて考えていきたいと思います。
まず今回はワーキングマザーの現状や悩みについて、株式会社Compassのキャリアカウンセラーの方にお話を伺いました。

周囲や世間からの「子どもがかわいそう」という圧力

ワーキングマザー達の悩みで特に多いのが、働いているがゆえに「子どもといられる時間が少ない」ということです。当たり前のことですが、専業主婦と比べると、仕事をしているママは働いている時間の分だけ子どもとの時間が少なくなってしまいます。

そして、子どもといられる時間が少ないことに対する「子どもがかわいそう」「お母さんが働くなんて」「自分の人生を優先させている」といった周囲の目は、残念ながらいまだに多くあります。これだけ共働きが増えた時代でも、世間の価値観や周囲の人の意識が追い付いておらず、ワーキングマザーが責められ悩みやストレスを抱えてしまっているという状況が多くの場所に存在します。

ワーキングマザーという生き方を選ぶのには、人それぞれ事情があります。そういった事情を知らない第三者が、安易に「子どもがかわいそう」といってしまうのは、ママにストレスを与えるだけで誰も幸せにならないのではないでしょうか。

ほかのママとの比較がママを追い込む

一方、職場でのキャリア形成についてもワーキングマザー達なりの悩みがあります。一口にワーキングマザーといっても、人によって価値観は千差万別。子育てをしながらも仕事を頑張りたいママや、キャリアアップを目指すママもいれば、時短勤務であっても仕事と子育てに追われて精一杯のママもいます。

ですが、例えば職場の先輩ワーキングマザーが子育てしながらでもバリバリ働くタイプだったりすると、周りの人間は後輩ワーキングマザーにも同じような働き方を要求してしまいがち。

「◯◯さんは子どもを預けて残業してたよ?」というふうに、ほかの人と比べられてしまうなど、家庭の事情がそれぞれ異なることが理解してもらえない場合があるのです。

周りの“配慮”がママのキャリアアップを阻んでしまうことも

また、今でも「仕事か家庭か」を二者択一的に考えてしまう人は多く、子どもが産まれた途端に「あなたの中では子どもが一番大切だろうから、仕事は前よりもこなせないよね」というふうに勝手に決めつけられてしまうことも起こりがちです。これは別に悪意があるわけではなく「子どもができて大変だろう」という“配慮“であることも多いのですが、別の部署に配置転換され、結果的にそのことでワーキングマザーのキャリアアップの道が閉ざされてしまうなどの場合も少なくありません。

子育てしながらでも、今まで以上に頑張れるママや頑張りたいと思っているママもいます。しかし「子育てのぶん仕事ができなくなる」という周囲の思い込みや、時には“配慮”によって、ワーキングマザーがいくら仕事で結果を出しても、それが評価に繋がりにくいというようなケースも社会には多く存在しているのです。このことはワーキングマザーに大きなストレスを与え、悩みの原因となります。

実の母や保育士さんからの一言がダメージに

続いて、より身近な人から感じるワーキングマザーのストレスについてご紹介しましょう。ママの身近な存在といえば家族ですよね。そして育児で困った時に、家族の中でも、自分の母親に子どもの相談をするママは多いと思います。しかし、ここで問題となってくるのが世代間の価値観の違いです。

最近では共働きが一般的になり、特に珍しいことではなくなってきましたが、親の世代となるとそうでもありません。親の世代だと、いわゆる「バリキャリ」の女性は少なく専業主婦も比較的多かったため、今のママ達が置かれている状況に、親世代の感覚が追いついていないことが多いです。こういったことで価値観がすれ違い、ストレスを感じ、悩みを抱えているママもいます。

また親とは違った意味で身近な存在として保育士さんが挙げられます。実は保育士さんからの一言は、一番身近な社会的ジャッジになるため、ママが受けるストレスも少なくありません。保育士さん側からすれば、どうしても子どもとの時間が多くとれる人ほど「良い母親」というふう判断しがちになるので、仕事でお迎えが遅くなりがちなワーキングマザーは責められやすくなってしまいます。

親や保育士さんに対しては「子どもを見てもらっている」という状況から、会話の中でストレスを感じてもママの方が負い目を感じ我慢してしまうことも多いものです。そしてその負い目から、収入が少なくなろうとも仕事をセーブして「良い母親」にならなければいけないと感じてしまうママ達もいるのです。このようにワーキングマザーには身近な人が悩みのタネとなる場合が多々あります。

妬みや無理解が問題解決を妨げている

ワーキングマザー問題の難しいところは、人に悩みを相談すること自体のハードルの高さがあります。結婚していない人や、子どもがいない人からの妬みや偏見があるため、子どもがいない人に子どもの悩みを相談をするのが怖く感じてしまう部分があるのです。

ワーキングマザー自身は深刻に悩んでいるのに「自慢ですか?」「仕事も家庭も子どもも、全部手に入れていいですね」というような露骨な嫌味をいわれてしまうこともあり、なかなか悩みを相談できないというケースもあります。

また、偏見にさらされたり、別の何かと比較されたりする状況が続くことで、ママ自身にも比較する癖がついてしまい、それが別のトラブルを生んでしまうことも。子育ても、働き方も、あるいは家庭のことや、そのほかのいろいろな事情も人によってそれぞれ違います。そして、そのことはワーキングマザーに限ったことではありません。

「ワーキングマザーだから」という枠組みでママを見るのではなく、個人個人をしっかりと見ていくことで、それぞれが自分に適した状態に近づけていけるのが望ましいのではないでしょうか。

おわりに

今回はワーキングマザーが抱えている悩みやストレスについて解説しました。次回6月26日火曜日アップの記事では、こうした問題への解決策について、引き続きキャリアカウンセラーの方にお話を伺いたいと思います。ワーキングマザーとして日々頑張っている人も、ワーキングマザーが身近にいる人も是非参考にしてみてくださいね。

次回記事:みんなの意識が変わることがカギ。働くママのために知ってほしいこと

次々回記事:ワーキングマザーの悩みを解決。ママの助けになる窓口やサービス

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