高卒で働きだす人の場合、就職活動に不安を感じる人も少なくありません。『就職先は見つかるのか」「初任給が低いのではないのか」と様々な不安に感じる人も多いのではないでしょうか。では、具体的に高卒の場合、平均でどれくらいの初任給なのかご存知でしょうか。
企業により初任給に差はありますが、日本企業の多くは学歴により、初任給に差が生じるケースは少なくありません。高卒の場合、大卒などの高学歴の人よりも給料が低くなってしまうのです。そのため、高校卒業後就職のために、大学に進学することを選択する人も多いことでしょう。それほど、大卒と高卒とを比べると初任給には差があるというイメージがとても強いのです。
高校を卒業する時、様々な事情により、大学進学を諦め高卒で就職をする人も少なくありません。高卒で就職活動をする時、どの仕事に就いても初任給に変化はないのでしょうか。では、高卒の平均の初任給について、詳しくみていきましょう。
高卒の平均初任給とは?大卒とは違い
高卒の場合、就職をすると、どれくらいの給与をもらうことができるのかご存知でしょうか。厚生労働省では、令和元年6月1日から30日までの初任給を対象として、学歴ごとの初任給の平均を公開しています。
高卒の平均初任給は、男女合わせて16万7400円とされています。一方、高専・短大卒の場合18万3900円、大卒の場合21万200円、大学院卒の場合23万8900円となります。
一方男女別に平均初任給を見てみましょう。男性の場合、高卒16万8900円、高専・短大卒18万4700円、大卒21万2800円、大学院卒23万9000円です。女性の場合、高卒16万4600円、高専・短大卒18万3400円、大卒20万6900円、大学院卒23万8300円となります。
平均の初任給を比べてみると、高卒の初任給が一番低くなりますが、男女間での差はほとんどないことが分かりますよね。高卒と大卒を比べると、約5万円程の差が生じていることが分かります。
また、企業別の平均初任給を見てみましょう。大企業の場合、男女合わせた平均は、高卒16万8500円、高専・短大卒18万5600円、大卒21万3100円、大学院24万2000円です。中企業の場合、男女合わせた平均は、16万6100円、高専・短大卒18万3600円、大学卒20万8600円、大学院23万2100円です。小企業の場合、高卒16万8600円、高専・短大卒18万3200円、大卒20万3900円、大学院22万9300円となります。
例えば、大卒の初任給を比べると、企業の大きさに比例して平均初任給も高くなりますが、高卒の場合、小企業が一番初任給が高いという点が特徴と言えるでしょう。高卒の場合は、大企業だからといって初任給が中小企業よりも高いとは限らないと言えるでしょう。
高卒におすすめ!平均初任給の高い職種とは
高卒と大卒の平均初任給をみていきましたが、平均初任給を比べると学歴と比例しており、高卒が一番少なくなることは避けられません。一方で、初任給が高い傾向にある業界もあります。高卒でも高い初任給をもらえる可能性のある業界を紹介していきましょう。
厚生労働省の「令和元年賃金構造基本統計調査を参考に見てみると、高卒でも比較的初任給の高い業界がいくつか見受けられます。
まずあ、建設業です。男女合わせた平均初任給は、高卒17万6100円となり、全体の高卒の平均初任給16万7400円より高い平均値となります。大卒は21万6700円であり、全体の平均の大卒の場合21万200円と比べても高卒の平均値のほうが全体よりも高い傾向にあることが分かります。
また、情報通信業の場合、男女合わせた平均は、高卒は17万1000円、教育・学習支援業は高卒16万8100円となり、建設業と同様に高卒の平均初任給が高い傾向にあります。
さらに、宿泊業・飲食サービス業は、高卒16万7800円ですが、大卒20万800円、大学院卒16万9600円となり、他の業界に比べて学歴により差が大きくない点が特徴と言えるでしょう。
高卒の平均初任給は低い!?給料を上げるコツとは
高卒で就職をすると大学生と比べても、早い年齢から働きだし、社会人経験を積むため、メリットもあります。しかし、大卒と高卒では平均初任給にも差が生じてしまうため、高卒では給料を上げることは難しいのではないかと諦めてしまう人も多いのではないでしょうか。
高卒で働き、キャリアアップを目指す方法はあります。キャリアアップには、専門的な技術を身につけると給料がアップしやすくなると言えるでしょう。
まずは、将来のキャリアプランを構築しましょう。高校を卒業し、何となく仕事を続けていても、技術を身につけることはできません。そのため、せっかくの給料アップのチャンスを逃してしまう可能性もあるのです。
自分のキャリアプランを構築する時は、直近の計画ではなく、10年後の将来までのビジョンを計画するようにしましょう。10年後にはどのような技術を身につけたいのか。そしてそのためには、どのような仕事をして、どのような技術を身につける必要があるのかを具体的に分析することがとても重要なのです。
また、キャリアプランを実行するためにも、自分自身の強みやスキルを磨くこともとても大切なことです。自分の強みや身につけたスキルは、今後のキャリア形成のための大きな武器となります。
業務で身に付くものばかりではありません。語学の習得や資格の取得もスキルアップを図る一つの方法です。自分自身のキャリアプランを具体的に計画しておくことで、自ずと将来に必要な資格や語学、そして技術を把握することができるのではないでしょうか。
キャリアアップの形成には、勤務している会社でスキルを着実にアップさせ、昇給を狙うという方法もありますが、同じ業界の別の企業に転職をし、キャリアアップを図るという方法もあることでしょう。転職をする時、さらなる給料アップを目指し、大企業や専門職を目指すならば、その仕事に向けた経験やスキルを着実に積んでいきましょう。
まとめ
さて、高卒の平均初任給を詳しくみていきましたが、いかがでしたでしょうか。ほとんどの企業が学歴により初任給に差が生じることは事実です。高卒の場合は、大卒等の高学歴よりも初任給が低くなる可能性は高いと言えるでしょう。
しかし、一方で、宿泊業・飲食業のように、初任給が学歴により差がほとんどない業界もあります。高卒でも初任給の高い業界を選択することも収入を上げる一つの方法と言えるでしょう。
また、働きながら、キャリアアップを計画することもできます。働きながら、技術やスキルを身につけ、キャリアアップを図ることは高卒の場合でも十分に可能なのです。しかしそのためには、何となく働き続けていてはキャリアアップを実現させることはできません。
将来のキャリアプランを具体的に計画し、そのキャリアプランの実現のために、計画的且つ積極的にスキル習得に向けて努力することが求められるのです。
高卒で給料を上げるためには、しっかりと計画的にキャリアプランを構築し、給料アップを目指していきましょう。