「高卒で就職することは難しい」と思っている人は、多いのではないでしょうか。就職を有利に進めるために大学に進学するか、高卒で就職をするかを迷っている人は、こちらの記事の内容を参考にしてみてください。今回は、高卒就職のメリット・デメリット、高卒就職におすすめの業界や職種を詳しく解説します。
高卒でも就職は難しくない
少し前の時代であれば、「ある程度の大学を卒業しなければ、よい就職先で正社員になることは難しい」と思われていたのが一般的でした。しかし、現在では必ずしも大学を卒業しなければ、よい企業に就職することができないというわけではありません。むしろ、高卒で就職した方が、大学卒業後に就職をするよりも、よい場合がたくさんあるのです。その証拠に、近年では高卒の人向けの求人も年々増加傾向にあります。
また、以前は高卒の就職率よりも、大卒の就職率が高かったために、「就職するのであれば大学へ進学した方が有利だ」と考えられていました。しかし、近年は高卒・大卒の就職率は、どちらであってもあまり差はなくなりました。このようなことから、現在は高卒であっても、正社員として就職することは決して難しくはないのです。
高卒就職のメリット
それでは、高卒で就職したときのメリットには、どのようなものがあるのでしょうか。
高卒で就職した場合のメリットの1つ目は、「スキルの習得が早くなる」ことです。技術を学ぶことが必須の職種である場合には、高校卒業後にすぐに就職をすることにより、大学卒業後に就職する人よりも早くスキルを習得することができます。料理人のように、現場でのスキル習得が必須となるような職種を目指す人は、高卒で就職をした方がメリットであるといえるでしょう。
高卒で就職した場合のメリットの2つ目は、「不景気のときは高卒の方が就職しやすい」ということです。実は意外にも、不景気のときの就職率は、大卒よりも高卒の方が高かったというデータが過去にあります。なぜなら、技術職を中心とする企業の場合には、景気に関係なく、常に自社の技術を受け継がせる人材を確保する必要があるからです。そして、高卒者の場合、大卒者よりも仕事を選ぶ基準が低く、技術職などの就職しやすい企業を選ぶ人も多いため、不景気時には大卒者よりも就職できる確率が高くなるのです。
高卒で就職した場合のメリットの3つ目は、「経済的自立と時間を自由に使える」ということです。高卒で就職した場合、大学に通いながらアルバイトをする人よりも、必然的に収入が多くなります。収入を多く得られるようになれば、経済的に自立をすることができ、それとともに自分が自由に使える時間も増えることがメリットであるといえます。
高卒就職のデメリット
高卒で就職したときのメリットとは反対に、デメリットとなるものにはどんなものがあるのでしょうか?
高卒で就職した場合のデメリットの1つ目は、「大卒よりも生涯賃金が低くなる」ということです。職種にもよりますが、大卒よりも高卒の方が初任給が低いことが多いため、年収差が大きく開くことも少なくはありません。また、入社時はあまり給料に差がない職種であっても、昇給額が高卒と大卒では全く異なり、長く働き続けることによって生涯賃金に大きな差が生まれることもあります。
高卒で就職した場合のデメリットの2つ目は、「高卒では入社できない・大卒が必須の職種や会社がある」ことです。就職するにあたり、企業から求められる条件の中に「大卒以上」というものがある場合には、その仕事にエントリーすることすらできません。また、自分が希望する職種により、大学進学をしなければ取得することできない資格が必須である場合には、大学へ進学しなければその道へ進むことは不可能です。
高卒で就職した場合のデメリットの3つ目は、「高卒後に就職できなかった場合、空白期間ができる」ことです。高卒後すぐに就職できなかった場合、就職するまでに「無職となる空白期間」ができてしまうのがデメリットであるといえます。とくに理由なく、無職である空白期間が続いてしまった場合には、その後の就職活動に不利になるケースも多いからです。
高卒就職におすすめの業界や職種
高卒で就職を目指す人のために、おすすめの業界や職種をご紹介します。高卒・未経験でも就職しやすい業界や職種に絞り、就職活動を行うことにより、最短で正社員として就職することができます。
まず、高卒でも就職しやすいおすすめの業界は、「アパレル業界」「飲食業界」「介護業界」「運送業界」「IT業界」「建設業界」「公務員」などです。これらの業界は、基本的に学歴を必須としていることは少ないため、高卒者であっても比較的就職しやすい業界になります。また、「高卒で公務員になれるの?」と驚く人もいるのではないでしょうか。公務員でも、職種により高卒で就職することは可能です。
高卒で就職することが可能な公務員職は、市役所の窓口や経理業務を行う「行政事務」、学校関係の事務を担当する「学校事務」、警察署や本部で事務全般を行う「警察事務」などがあります。ただし、これらの仕事に就く場合には、採用試験などを受験し、合格する必要があります。また、高卒程度の学歴で国家公務員・地方公務員になる場合には、「中学・高校卒業後二年以内」という条件も定められていることが多いため、まずは採用条件を満たしているかを確認する必要があるでしょう。
続いて、高卒でも就職しやすいおすすめの職種は、「営業職」「事務職」「専門職」「販売職」などです。これらの職種であれば、未経験でも採用されやすいため、高卒で就職を目指すには最適な職種であるといえます。ただし、専門職においては、学歴は必要ではないものの、その分野における知識やスキルを必要とする場合があります。たとえば、プログラマーであれば、学歴不問であってもプログラミングの基礎知識は必要であることが多いです。
専門知識やスキルを必要とせず、入社後に学べる高卒で就職しやすい職種としては、営業職や販売職です。営業職や販売職は、基本的には接客スキル・人とのコミュニケーションスキルを必要とする職種であるため、商品知識や業務スキルは必要ではないからです。人と関わることが好きな人や、コミュニケーションスキルがある人は、昇給がしやすい職種であるため、高卒者でも成果次第でキャリアアップすることが可能です。
まとめ
「高卒では就職は難しい」と、いまだに思っている人も多いのではないでしょうか。しかし、そのような考え方が一般的な時代はもう終わり、現在では自己アピールや成果次第によっては、学歴関係なく採用される職種や業界も年々増えています。ただし、資格などを必要とする一部の職種においては、大学に進学しなければ受験することすらできない資格もあるため、まずは自分の希望する職種が何であるかを明確にする必要があるでしょう。
とくに目指す職種が明確なわけではなく、就職することを目標としている人の場合には、学歴だけのために大学に行く必要はありません。高卒でも業界や職種を絞り、就職活動を行えば、比較的スムーズに正社員として就職することは可能です。ぜひこちらの記事を参考に、就職活動を進めてみてはいかがでしょうか。