仕事がなくなってしまったときには失業給付をもらうことができます。それでは失業給付は具体的にいくら支給されるのでしょうか。そこで、失業給付金の計算方法について紹介しましょう。
失業給付金の計算はややこしいのか?
失業給付金の計算はややこしいとされています。それが果たして本当のことなのか紹介しましょう。
失業給付金の計算方法がわからないという人は多い
失業してしまったときには雇用保険によって失業給付金を受け取れるという事実を知っている人はたくさんいます。しかし、まさか自分が失業すると考えている人は少ないため、実際に失業給付金を計算してみようという人は少ないのです。そのため、実際に失業給付金を受けるという段階になって初めて計算方法を調べてみて困惑するという人が多いです。
離職日や被保険者だった期間、過去の賃金などで変わる
失業給付金はさまざまな条件によって変わってくるものです。具体的には離職日や被保険者だった期間、これまでの賃金などによって変化します。そのため、それぞれが自分のもらうことのできる失業給付金を正確に計算することが大切です。他人の失業給付金を知ったとしても、それは参考にならないのです。
1日あたりの給付額や給付される日数が異なる
人それぞれ失業給付金を受け取るときの中身が異なります。1日あたりに受け取れる給付額や給付される日数が違うのです。そのため、自分はどのくらいの給付金をどれだけの日数受け取れるのか確認しておくことが大切です。
受給額を正確に理解しておくことは大切
どのくらいの失業給付金を受けられるのか知っておくことは大切です。これから仕事がなくなったときの貴重な収入源となります。いつまでいくらの失業給付金を受け取れるのか把握することで、いつまでに新しい職を見つければいいのか計画を立てることができます。
失業給付金の計算方法
失業給付金について具体的な計算方法を紹介しましょう。
基本手当日額の計算方法
失業給付金を計算する際にはまず賃金日額を計算します。これは退職前の6ヶ月の給与総額を180で割ったものです。180とはひと月30日として6ヶ月分の日数のことです。そして、実際に受け取れる基本手当日額は賃金日額の45~80%です。これは年齢や賃金日額によって異なります。基本手当日額には上限と下限があり、こちらも年齢や賃金日額によって変わります。たとえば、離職時の年齢が45~59歳で賃金日額が上限である15,740円を超える場合には、基本手当日額は7870円が上限です。
所定給付日数の計算方法
所定給付日数は退職理由と年齢、勤続年数によって変わります。自己都合退職よりも会社都合退職、さらに就職困難者の方が日数は増えます。たとえば、会社都合退職で勤続年数が20年以上であり、35歳以上45歳未満の場合には所定給付日数は270日となります。
基本手当日額x所定給付日数が受給額
実際に受け取れる失業給付金の総額は基本手当日額に所定給付日数をかけることで求められます。失業給付金というのは、もらえる金額が日額で計算されて、さらに給付される日数が決まっているのです。
おおよその目安を確認しよう
細かい条件についてはネットで検索することによってすぐに知ることができます。自分の賃金や勤続年数、年齢などがわかれば、おおよその目安をすぐに計算で求めることが可能です。だいたいどのくらいの金額をどの程度の期間もらうことができるのかわかっていると、これからの生活設計がしやすくなります。
失業給付金の計算のポイント
実際に失業給付金の計算をする際のポイントを紹介します。
所定給付日数は一部の人で日数が多くなる
所定給付日数は一般的には勤続年数増えるごとに90日から150日までと幅が決められています。ただし、会社の倒産などで再就職のための準備ができなかった人や労働契約が更新されずに退職した人など一部については所定給付日数が多くなるように配慮されているのが特徴です。そのため、勤続年数以外の要素についても注目しましょう。
受給要件を満たしている必要がある
失業給付を受け取るためには下記の2つの条件を満たしている必要があります。
・失業の状態にある
・離職した日までの2年以内に通算12ヶ月以上雇用保険に加入している
ただし、特定のケースでは1年以内に通算6ヶ月以上雇用保険に加入しているだけで条件を満たすことができます。
雇用保険に加入した期間と会社に在籍した期間は異なる
会社に在籍していればすぐに雇用保険に加入しているとは限りません。会社の在籍期間と雇用保険の加入期間にずれが生じているケースがあるため注意しましょう。詳しいことは会社に問い合わせをすることでわかります。
上限額や下限額が定められている
失業給付金は勤続年数が多いほど、賃金が高いほど高くなるものです。ただし、実際には上限額と下限額が定められていて、その範囲内の失業給付金しか受け取ることができません。その点に注意をして計算してみましょう。
失業給付金の計算の注意点
失業給付金の計算をする際の注意点について紹介しましょう。
最新の法律を確認する
失業給付金の計算式については法律によって変わってしまうことがあります。そのため、計算をするときには最新の法律を確認するようにしてください。インターネットを利用すれば、国のホームページから最新の計算式についてチェックすることができます。
ハローワークで計算が正しいかどうか確認してもらう
自分で失業給付金の計算をしたとしても、それが本当に正しいものなのか自信がないというケースは多いでしょう。そんなときにはハローワークに行って計算方法が正しいかどうか確認してもらいましょう。失業給付金の手続きをする場所はハローワークです。ハローワークはすべての都道府県に存在しているため、困ったことがあれば最寄りの施設を行きましょう。計算に必要な情報を渡せば、あなたの代わりに計算してくれます。
早めに手続きをする
失業給付金の請求には期限があるため注意しましょう。原則として会社を退職した日の翌日から1年間が受給期間とされています。特別な場合には期間を延長することもできるのですが、原則的には1年間とされているため、早めに手続きをしてください。そうしないと本来もらうことができた失業給付金を受け取れなくなってしまいます。手続きをしたとしても、実際に口座に振り込まれるまでには1ヶ月近くかかってしまいます。それでは生活が困窮してしまう可能性があるため、できるだけ早くハローワークを訪れて手続きを済ませておきましょう。
離職前にシミュレーションしておく
これから離職することがわかっているならば、あらかじめ失業給付金を計算しておくことができます。そのため、離職することがわかったならば、離職する前の段階で計算しておきましょう。そしてこれからの生活についてシミュレーションしておくことが大切です。家賃や食費などどの程度の生活費がかかるのか、どのくらいの貯金があるのかを確認しておき、失業給付金のみで生活をいつまで維持することができるのか考えておくのです。失業給付金だけでは生活が困窮しそうであれば、早めに再就職先を見つける必要があります。
まとめ
失業給付金の計算方法や注意点についてまとめました。これから失業給付金を受け取ることになるならば、事前に計算してみるとよいでしょう。そのときにはこちらを参考にしてください。