【中卒労働者から始める高校生活】の紹介。勇気をくれる漫画です

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現代では、多様な漫画が発表されています。中でも珍しい題材を扱った漫画が、【中卒労働者から始める高校生活】です。この漫画は中学校が最終学歴の主人公・片桐真実が通信制高校に入学してからの高校生活を題材にしており、作者の実体験をもとにしているせいか、非常に現実味がある描写が多くの人に高い評価を受けています。また、実際に同じ状況にある人に勇気を与えてくれると評判です。
ここでは、そんな【中卒労働者から始める高校生活】を紹介していきましょう。

【中卒労働者から始める高校生活】のあらすじ

【中卒労働者から始める高校生活】の主人公は、タイトルの通り、中卒で労働者をしている「片桐真実」です。彼は3歳年下の妹の「片桐真彩」と2人暮らしをしています。2人は亡くなった母親の生命保険のおかげで必要最低限の生活を続けていられたものの、真実は妹の生活を支えるため、物流会社で働くことにしました。なぜなら、父親が逮捕されたせいで収入がなく、母親の生命保険もいつまであるかわからなかったからです。
そんな生活を続けて4年、18歳になった真実は持ち前の人当たりの良さで会社の中でも信頼を築くようになっていました。中卒ながら指揮係という一種の管理職に任命された彼は、「学歴がなくてもやっていける」という自負をもちはじめていました。しかしながら、社長の友人の息子、「梶原」が就職したときから真実の運命は変わります。
梶原は大卒であり、しかも社長とのコネもあったため、本来は真実が任せられるはずだった指揮係を横からかすめ取ってしまいます。その上、梶原は中卒の真実を見下し、真実は徐々に会社に居づらさを覚えるようになりはじめました。
そんな折、妹の真彩が高校受験に失敗。彼女が通信制高校に通うことになったので、それに伴って真実も通信制高校に通うことになります。通信制高校には十人十色の事情を抱えた人がおり、真実は彼らとの出会いを通しながら内面を成長させていきます。「中卒労働者からの高校生活」がはじまったのでした。

【中卒労働者から始める高校生活】から学べること

この漫画の主人公である真実は、非常に特殊な事情から中卒労働者という道に進まざるを得なくなりました。とはいえ、これは決して漫画の世界のみのファンタジーではありません。現実世界でも、中卒労働者として働かざるを得ない人の多くは、「両親をはじめとした親族のサポートが受けづらい状況にある」ことが少なくないのです。
そのため、この漫画からは同じような状況にある人もいます。つまり、この漫画からは現代社会で活かせることを学べるのです。具体的に学べる点は、以下で紹介します。

現実に中卒の就職事情は厳しい

主人公の真実は、中学生時代の成績は優秀な側でした。天才というレベルではありませんが、一般的にはそれなりに「頭が良い」とされる部類だったようです。しかし、そんな真実でも就職先を見つけるのには苦労していました。これは、現実にも同様のことがいえます。
現実社会では、「中卒の正社員」という条件で求人を募集している企業はそう多くなく、実際に検索してみても、「高卒以上」の求人は多く見つかりますが、中卒でも問題のない求人はかなり少ないのが現状です。この理由は、中卒の持つイメージにあります。漫画の中でも、真実は大卒の梶原に見下されて暴力事件を起こしかけますが、「これだから中卒は」というレッテルを貼られ、会社の居心地が悪くなっていきました。
こうしたレッテル貼りや学歴差別は、決して許されるものではありません。しかし、現実問題として中卒労働者は悪いレッテルを貼られやすく、就職の場においても同様の問題が発生しています。例えば、補導歴があったとすると、大卒と中卒で明らかに印象が異なっているのが現状です。つまり、現実問題として、中卒状態での就職は厳しいといえます。真実は幸い正社員で雇ってくれる良い会社に巡り合えましたが、そうではない人も多くいます。中には、仕方なくアルバイトで生計を立てている人もいるようです。

どんな職場でも学歴での格差は大きい

【中卒労働者から始める高校生活】の劇中では、大卒の梶原に真実が掴みかけた「指揮係」という一種の管理職の椅子を横取りされてしまいます。真実には4年のキャリアと職員からの信頼、それに物流への深い理解があったのにも関わらず、指揮係から外されてしまったのです。一見すると、漫画を先に進めるためのイベントのように見えるかもしれません。しかし、こうした学歴格差は、現実社会でも大きな問題を引き起こしています。
たとえば、劇中のように出世面で他の大卒の方が優先されたり、給料面で不遇を押し付けられたりします。もちろん、職場内で「中卒だから」という理由で差別されたり、レッテルを貼られたりするのも学歴格差のひとつです。このように、中卒労働者は働く前から様々な困難に遭遇し、実際に働き始めたあとも、様々な困難に直面してしまうのです。これは、日本社会が学歴を重視している裏付けだともいえるでしょう。

大切なのは一歩を踏み出す勇気

真実は、就職するときも、通信制高校に入学するときも、妹のことを想って一歩を踏み出しました。結果、彼は人生をよりよい方向に進めることができています。時にすれ違ったり、時には妹に怒りをぶつける描写もありましたが、彼は自分自身の力で持って人生を良い方向に進めたのです。
この漫画は、自分の人生を変えるために一歩を踏み出すことの大切さを訴えています。現状に満足して目の前のことに打ち込むことも時には重要ですが、中卒という状況からうまく抜け出すためには、その目的や原動力がなんであれ、一歩を踏み出すことが大切になるのです。

【中卒労働者から始める高校生活】の評判

【中卒労働者から始める高校生活】は、主に2種類の方から高い評価を得ています。1つのパターンは、「ラブコメ」として読んでいる方です。この作品は作品の柱として中卒労働者である主人公の人生模様以外にも、主人公が出会うことになる女の子との恋愛模様も描いています。この恋愛模様は主人公の境遇もあってかなり新鮮で、そこを楽しんでみている人も多いようです。
もうひとつのパターンは、この作品を「家族」という点から見ている点です。主人公の妹、真彩と主人公との関係が徐々に変化していきます。この変化を楽しむという方からは、高い評価を得ているようです。
一方、主人公が「中卒」という立場に悪い印象を持ち、自分を卑下し続ける姿に苛立ちを覚えてしまう方からは、低い評価を受けています。とはいえ、全般的には高い評価を得ていることが多く、通常は見ることのない通信制高校という場所で繰り広げられる人間模様は、多くの人を楽しませています。

まとめ

【中卒労働者から始める高校生活】は、中卒労働者の主人公が通信制高校に入学し、そこで巻き起こる人間模様を描いた群像劇です。アニメ化もされていることから非常に高い人気が伺え、労働者の方から学生の方まで、多くの人の共感を得ている漫画です。
それと同時に、この漫画は作者の経験をもとに描かれていることから学べることも多くあります。特に中卒労働者を取り巻く状況や、周囲の目線に関しては、リアルに描かれています。よって、この漫画から何かを読み取り、自分の就活の活かすのもいいかもしれません。

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