キャリアコーディネーターの仕事は、求職者の特性に応じた企業を紹介することです。その特性を知るために、面談時には以下のような質問を求職者にします。
「どうしてAという会社に入社されたんですか?」
「得意なことはありますか?」
こんなとき求職者側からすると、逆にキャリアコーディネーター自身のそれまでのキャリアってどうなっているの?と気になったことはありませんか。
そこで今回は2018年に大阪にて「ワークプラス 」を開業し、本メディアと連携している相談・転職サービスCHOICE!でもキャリアコーディネーターを務めている笹原宇修さんにお話を聞きました。
「働いてみないと分からない」。内定を蹴り、やってみたこと
−今日は、笹原さんがいつも求職者の方に聞いているであろう質問を、逆に笹原さんにぶつけてみようと思っています(笑)。
「逆質問みたいなものですね(笑)」
−はい。求職者との面談では経歴を参照しながら、入社理由から順に質問されていることが多いのかなと思います。ということでまずは、まずは笹原さんが人材業界に入った理由を教えていただけますか?
「元々は税理士を目指していたんですが挫折して、紆余曲折を経てたどり着いたのが人材業界だったいうのが本音です」
−税理士ですか?人材とは随分とかけ離れてる気がします。
「高校時代に職業図鑑みたいなものをみていて、気になったのが士業のページでした」
−士業というと、弁護士など「○○士」と呼ばれる専門職ですね。
「母親が美容室を経営していて、手伝いで働いていたりもしたので、将来的に個人で働いていきたい気持ちはあったんですよ。ただ、難易度ランクとか収入ランクで言えば公認会計士の方が高いです。普通だったら一番上を目指すのかもしれないけど、僕は1っこ目線を低く税理士でした(笑)。公認会計士、これは自分には無理だなと思って(笑)」
−税理士という選択もそうですが、それを目指すに至った道も堅実ですね(笑)。
「そこで会計を専門的に学べる学部に進学しました。平日の日中は大学で、夜と土日は簿記の専門学校という日々を過ごしていました」
−遊び盛りなのに大学進学早々からハードな毎日を過ごしていたんですね。
「あ、性格的に始めはバーって進められるんですけど、長続きはしないタイプなんですよ(笑)。結論から言うと、数学やお金の計算とかは向いていませんでした。O型なんでおおざっぱなんです。すごい今更感ありましたが(笑)。模擬テストで4点とかとったこともありましたよ」
−税理士の夢が破れたわけですね・・・
「もう税理士になるのは無理だなと思って、3年生の終わりに就職活動へ切り替えました。ただ、そこでもはちゃめちゃな就職活動してしまって、最終的に進路が決まったのは4年生の10月とか11月。夏前に内定が決まったところもあったんですが、”実際に働いてみないと分からない”と思ってその内定を蹴って、別の会社のインターンとか社長のかばん持ちみたいなことをしていた時期もありました。当時のYAHOO検索で会社を探し出して“はじめまして。東京理科大の笹原と申します。ぜひ働かせてもらえませんか”っていうメールを片っ端から送っていました。それで返信があったところの社長と会って、”働かせてください、頑張りますので”って(笑)。4年生の9月くらいまでは働いていました。就活ほっぽり出して(笑)。ただ働いてみたものの、めためたにメンタルをやられたり自分の限界を知らされたりしました」
−そんな中どんなタイミングで人材に?
「色々な会社説明会に足を運んでいたんですが、雰囲気が良いなと直感的に思ったのが人材業界でした。それだけ(笑)。だからぶっちゃっけ、”こうこうこういう思いがあるから人材をやりたい!”とかはなかったんです」
−いざ入社してみたらどうだったのでしょう?
「直感って当たるんだ、と思いました。人材業界のオープンマインドな部分はやっぱり合ってました。自分で言うのもなんですが、実際の成績も平均以上は残せていました。で、独立した今もこの業界にいるってことは、結果的に人材は自分に合っていたのかなと思います」
人の心の専門家ではないけど、その人に合った会社を紹介できる理由
−税理士を目指していたのに、人材へ。人材業界って「人」勝負なところありますよね。「個」がものをいうというか。士業も同じような気もします。
「商品を売るとかよりも、自分を売るっていうのはそうですね」
―笹原さんって面接とかも得意そうですもんね。
「うーん、そうですね(笑)。昨年独立したんですがその際の資金を確保するために、一時期色々な仕事をしていました。最初は、とある人材紹介会社に仕事を紹介してもらおうと思って面談しにいったんですけど、そうしたら”逆にうちで働きませんか?”と言われたこともありました。その時はコンビニ、ドラッグストア、飛び込み営業、ホテルマン、ラーメン屋の皿洗いとかもしていました」
−笹原さんのコミュニケーション能力はどこで養われたんでしょうか?
「ガツガツ人と話すようなタイプではないですが、穏やかだねとはよく言われます。道を聞かれるようなタイプです(笑)」
−体操のお兄さんのような感じがします。その人当たりの良さはいつからですか?
「けん玉が大きいかもしれません」
−け、けん玉?
「学生時代の頃からLOFTとかでけん玉の実演販売や、学校や老人ホームでけん玉を教えていたりしました。実は日本けん玉協会というところにも所属しています」
−かばん持ちといいけん玉といい、朗らかな笑顔の裏にそんな意外なエピソードがあったんですね。
「そうやって人前で話す機会が多かったことは、今につながっているかもしれません。あとは、子どもの頃から実家の美容室の手伝いをしていたのもあると思います。髪をほうきで掃くとかの程度でしたが、何だかんだでお客さんと話すことになるじゃないですか」
−ということは、人当たりの良さは人材業界に入ってから培われたわけではないんですね。
「そうですね。ある程度適性を見て人材会社も採用しているので、もともとうまく人と話せる人が集まっている気がします。自分が人材に入ったのは直感でしたが、採用する側も求職者と自社が合うかどうかは、直感的に判断していると思います」
−これまで笹原さんは何百人という求職者と会い、その人とマッチする会社を紹介されてきました。そこで、ちょっと挑戦的な質問にはなりますが、人材コーディネーターの「人を見る目」は正しいのでしょうか?
「ある程度正しいという自信はあります。これは私がすごいのではなく、他の人もそうだと思うんです。”この人は明るいな””この人はおっとりしているな”とかの判断はみなさん無意識にしていると思うんです。これまで多くの人と会ってきましたが、年齢も人生経験も自分より上の方はいらっしゃいました。ただ、そんな私が他の人たちと唯一異なる点は、出口がわかっていることだと思います」
−出口、というと?
「心理学者じゃないから人の心の専門家ではないけど、紹介先の企業のことは他の人よりも知っています。だから、その人がどんな会社へ行けばいいかが大体分かるんです。
例えば、普通に友達同士でも”Aちゃんは××の仕事が向いていると思うよ”といった会話はよく聞こえてきますよね。その人と私との違いは、その××のこと(業界・企業・仕事内容)を深く知っているということです。だからこそ、確信を持って求職者の方に××が向いていますよということが言えます」
企業人ではなく個人だからこそやれること
−よく人材業ってお見合いに例えられることがあると思うんです。企業と求職者のお見合いをセッティングするのが人材コーディネーターの仕事。そこで込み入った質問になりますが、人材コーディネーターってプライベートでも恋仲を取り持ったりすることが得意だったりするのでしょうか?
「ワークプラス」のオフィスの風景。おしゃれな雰囲気で転職相談できる
「誰か友達と友達をくっつけたりしたことはないし、学生の時は1回も合コンとかいったことがありません(笑)。だから、自分はそこは別だと思っています。恋の悩みは恋の悩みというか。少なくとも自分は、そういった経験がなくても僕は人材業界でやっていけています(笑)」
−ワークプラス では、現在求職者を100%紹介によって確保していると聞きました。これはすごいことだと思います。
笹原さんが運営する「ワークプラス 」
「友達や同じシェアオフィスに入居している人の知り合いの転職を支援したりもしています。あと、面談をした求職者の方や就職が決まった方が、友人や元同僚の人に勧めてくれたりもします。そういったご紹介が大体月に7~8名くらいでしょうか…?」
−本当に半径何メートルかの近い関係の人が多いんですね。最後に面接っぽい質問をさせてください(笑)。ワークプラス を運営されている笹原さんの強みは何なのでしょうか?
「THE逆質問きましたか(笑)。そうですね、うちは求職者の方が本当に行きたい企業を紹介できるのが強みだと思います。転職エージェントは、基本的に提携企業の求人しか紹介できません。それ以外の企業を紹介してもビジネスにならないからです。一方でワークプラス では、ハローワークにしか掲載されていない求人や企業HPの採用ページにある求人なども紹介するようにしています」
−お金にならないのに・・・
「そうですね。正直経営的には苦しいです(笑)。でも、だからこそ求職者の人が満足してくれ、知人友人に紹介してくれます。紹介のみで求職者が途切れないのは、それをしているからだと思っています。普通であれば内定をもらった後に”この転職エージェントに相談してよかった。友達にも勧めてみよう”となると思うんですけど、うちは内定前の転職活動中からご友人に勧めてくださる人も結構いるので」
−笹原さんの人柄勝ちですね。
「例えば、求職者さんにハローワークで気になる求人をいくつかピックアップしてきてもらったら、それを私がチェックしその方の経歴などを考慮しておすすめ順や受かりやすさ順を教えてあげたりしています」
−親身なお兄さんのようですね。
「個人で働くようになってからやってみたかったんですよね(笑)そっちの方がやってておもしろいですから!もちろん経営が成り立ってこその仕事なので、まずはスタートアップをしっかりと軌道に乗せていきたいです。どうか応援してください。」
相談・転職サービスCHOICE!
POINT✅
①LINEで相談
②チャット・電話・動画通話から選べる
③国家資格のカウンセラーが応対
④休日や早朝・夜間も
❇️笹原さんに転職相談をしたい方はこちらから▶︎▷▶︎https://choice-career.com/add_friend.html
(LINEに遷移します)