ハローワークの職業訓練校とは、失業保険を受けながら無料で就職に役立つ知識やスキルを学べる公的機関です。今回は、ハローワークの職業訓練校の人気コースや給付金を受けながら学ぶメリット、職業訓練校を受講するときの注意点などを詳しく解説します。
ハローワークの職業訓練校とは
ハローワークの職業訓練校とは、無料で就職に役立つ知識やスキルを習得できる場所です。ハローワークの職業訓練校は、国や自治体が運営しており、求職中の人が新たな仕事に就職できるように、さまざまなサポートを行っています。職業訓練校の正式名称は「公的職業訓練（ハロートレーニング）」と呼ばれるもので、失業保険を受給中の求職者を対象としていますが、在職者の人でもスキルアップをしたい人のために「求職者支援訓練」という有料の講座も開催しています。
職業訓練を受講するためには、まずハローワークで申込みを行い、書類選考および試験に合格することにより受講が可能になります。
ハローワークの職業訓練校で人気のコースは？
ハローワークの職業訓練校で受けることができるコースには、さまざまなものがあります。ハローワークの職業訓練校で受講可能なコースは、「パソコン系（エクセル・ワード・webデザイン・プログラミングなど）「事務系」「デザイン系」「機械系（電気・電子など）」「建築・土木系（ビルメンテナンス含む）」「医療系」「保育・介護」「美容系」などになります。
ハローワークの職業訓練校で最も人気が高いコースは、「WEB制作」のコースです。現在就職市場でも最も注目されているIT系の中の1つであるため毎年倍率が高く、受講するには難関なコースになります。職業訓練校のWEB制作コースは、1人でwebサイトを作成するための技術や知識・プログラミングなどを学ぶコースです。
ハローワークの職業訓練校で2番目に人気が高いコースは、「宅建不動産・金融ファイナンシャルプランナー」のコースです。不動産や金融関係、社会保険手続きなどの知識を学ぶコースになります。こちらのコースも人気が非常に高く、倍率はおよそ1.7倍にも上ります。とくに、宅建士やファイナンシャルプランナーの資格取得を目指す人が多く、その影響により人気が高まっているようです。
ハローワークの職業訓練校で3番目に人気が高いコースは、「Javaプログラミング」のコースです。Javaプログラミングコースは、コンピュータープログラミングを基礎から学び、最終的にはAndroidアプリを自分で開発できるまでを目指すコースになります。こちらも現在人気の高いIT系の1つなので、年々倍率が高まっている職業訓練のコースです。
ハローワークの職業訓練校で4番目に人気が高いコースは、「国際ビジネス」のコースです。国際ビジネスコースは、海外取引業務についてを学ぶ内容になっており、英語を重点的に学ぶことも可能です。そのため、TOEIC合格を目指す内容となっているので、英語の勉強をしたい人や、将来海外取引や海外と関わる仕事をしたい人におすすめのコースです。
ハローワークの職業訓練校で5番目に人気が高いコースは、「パソコン・オフィス」のコースです。パソコン・オフィスのコースは、エクセルやワードなど、パソコンの基本的な操作や基礎を学ぶ内容になっています。パソコン・オフィスのコースを受講すれば、ビジネスに必要なパソコンのスキルを習得することができます。また、こちらのコースでは、パソコンの資格である「MOS」を取得することも可能です。
ハローワークの職業訓練校を受けるメリット
ハローワークの職業訓練校を受けるメリットの1つ目は、「無料でスキルアップや就職につながる講座を受講することができる」ことです。本来は自分でお金を支払って学ぶものを、無料で学ぶことができるのは、とても大きなメリットであるといえます。ただし、ハローワークの職業訓練は、在職者など失業者以外の人は有料であることや、一部のコースではテキスト代がかかる場合もあるため、事前に確認が必要になります。
ハローワークの職業訓練校を受けるメリットの2つ目は、「失業保険を通常よりも多くもらうことができる」ことです。職業訓練を受講した場合、失業保険の給付延長が認められることから、通常よりも長い期間受け取ることができるようになるため、給付金を多くもらうことができます。ただし、失業保険の給付期間の残が1/3以下の人の場合には、ハローワークの職業訓練には申し込むことができないため、注意が必要です。
ハローワークの職業訓練校を受けるメリットの3つ目は、「給付制限がなくなる」ことです。通常、自己都合退職の場合、3ヶ月の給付制限があるためすぐに給付金を受け取ることができません。しかし、職業訓練を開始することによって給付制限がなくなり、すぐに失業保険を受け取ることができるようになります。
ハローワークの職業訓練校を受講するときの注意点
ハローワークの職業訓練校を受講するときの注意点は、「受講したいコースがあってもすぐに申し込めない場合がある」ということです。
職業訓練の各種講座は、コースにより開始時期が異なるため、自分の退職した時期と希望しているコースの募集時期が必ずしも一致しているとは限りません。とくに、講座の受講期間が長期間になるものは、開始時期が限られていることが多いため、事前に職業訓練の募集時期や開始時期を確認しておく必要があります。また、自己都合退職をして職業訓練を受講したいという人の場合には、受講したいコースの選定から募集時期などをすべて事前に調べ、その時期に合わせて退職をすることをおすすめします。
職業訓練の募集時期を調べずに会社を退職してしまうと、ハローワークにて申込みをしようとした際に、「募集が終わっていた」「次回の募集まで期間が長い」というようなことになってしまう可能性があるからです。このようなことにならないためにも、退職後にハローワークの職業訓練校を受講したいと考えている場合には、退職前から希望の受講コースを選定しておきましょう。そして、講座の募集時期や受講開始日などを確認し、計画的に辞める日取りを決めることをおすすめします。
まとめ
ハローワークの職業訓練校とは、国や自治体が運営する、就職に役立つ知識やスキルを無料で習得できる場所です。失業保険を受給中の人であれば、ハローワークにて職業訓練を申込み、選考に受かれば無料で講座を受講することができます。ハローワークの職業訓練のコースは、現在就職市場において人気の高いwebデザインやプログラミングなどのIT系から、就職に必要なパソコンスキルまで幅広いコースがあります。
ただし、ハローワークの職業訓練を受講するためには、失業保険の給付期間残が1/3以上あることが条件となります。この条件を満たしていない場合には、ハローワークの公的職業訓練を受けることはできませんが、その場合でも有料にはなりますが求職者支援訓練というコースを受けることが可能です。また、ハローワークの職業訓練のコースは、募集期間や開始時期がコースにより異なるため、受講したい場合には事前に調べておく必要があるでしょう。
